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「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~(第8話)」図々しくも、ルールを制するものがゲームを制する

江口のりこが、秘密兵器のマリリンを出世の道に運ぶ。ということは、ドラマも最終段階。実に心地よく、1時間で半地下から13階に上がるサクセスストーリー。爽快感は抜群!演じる、今田美桜のテンションもどんどん上がっていく感じ。

最初に備品管理下に降格されて、やる気を落とすところと、最後に13階を勝ち取るところの演技の落差が非常にマンガチックなデフォルメなのだが、これをさらりと演じあげる今田がドラマのエンジンとして今更ながら心地よい。

そこに今回の曲者というか、桜井ユキ。少しエキセントリックな役が多い彼女だが、今回は子供を抱えるOL。こういう柔らかい演技もしっかりこなすことがわかる。とても、役になじんでいたし、最後に、図々しく、元の部署に移動を迫る演技はさすがとも言える。ここも気持ちよかったですね。

そう、このドラマは、JK5と呼ばれる、女性管理職5割化計画を実行する話なのだが、テンポの良さも相まって、この、非現実な流れを視聴者が応援したくなる形がとても良い。

そして、そんな今田を観察している江口のりこの思惑とは違った方向に、今田が走っていってしまう感じが面白いのだろう。今回も、地下に落ちた今田に渡した「お助け券」を初日に使ってしまうというイレギュラーな感じ。まあ、江口にも、今田は読めないという存在にしてあるのが面白いところですね。

そして、JK5を進める話だから、回を追うごとに男たちの描き方も変わってきている。鈴木伸之に関しては、なんかフェミニストな感じになってきているし、地下室の佐戸井けん太が、マリリンたちを家に招くところを描くのも、新しい男の在り方みたいなものを脚本の中でしっかり示している感じで興味深い。

さあ、またまたビルの上にきたマリリン。ただ、向井理と一緒にいたソニンは何者か?そして、それは恋の対決なのか?男たちは、もう、その名前の如く、マリリンの存在にメロメロになっているわけで、この恋愛模様もさまざまに素直に楽しめるラストになっていく感じである。

しかし、今日の回の総務部の会議の席上のように、あれだけ話せる若い女性がいたなら、確かに一気に管理職になれる時代ではあるのでしょうね。まあ、こんなアナログチックな会議、今はなかなかないでしょうがね。

そして、マリリンが最後に言った言葉、「ルールを制するものがゲームを制する」これは、確かな一言ですね。組織というものがある以上、そこには必ずルールがあるのです。そこには、私たちが当然だと思っていたことがそうではなかったということが必ずある。多分、社内ルールでは、男女の差別などあってはならないし、年齢での差異もあってはならないことでしょう。そして、その社内規定に入らない派遣社員という存在でうまく辛いところを補っているという感じもします。そんな状態で、同業種同一賃金など、無理なのは当然であり、まあ、考えれば、日本の組織の在り方のリセット、そして復活はまだまだ難しいとことがわかってきたりもします。

とにかくも、このドラマ、ラストに向けてさらに楽しみです。

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