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「ペンディングトレイン~8時23分、明日 君と(第6話)」意味のない闘争、そして戻るヒントがやっと出てくる?

漂流ものでは、珍しくない争いごとが起こる回。人間など弱いものということなのかもしれないが、どうも、人が多くて何故に闘うのかもよくわからない状況。萩原聖人が嘘をついていて、それが皆にしれないように上白石萌歌を閉じ込めるのはいいが、最後には殺す気だったのか?いや、痛めつけて味方につけようというのか?萩原が脳裏に描いたプランもよくわからないし、そんな人の会社だから潰れたというのはあるのでしょうね。

そして、上白石はどのようにして逃げたのかが出てこない。そのシーンを入れないのはどうかな?と思う。そういうサスペンスの部分があまり描けていないのですよね。だから、二つの組織が揉め合う理由もあまり明確になってはいない。そして、これは放送コードもあるのだろうが、男女間に出てくる性処理的問題も避けているようだが、やはり人間が欲求を外に出していくのが漂流ものの基本であり、ある意味真面目すぎる感じがする・・。

そして、萩原は自分の仲間にも嘘をついていたわけで、その辺もどう描いていくのか?決して、5号車と6号車は交わったわけではなく、かえって相容れなくなった感じだから、脚本、この後難しそうな気がするのだが・・。そう、この時点で穏やかな人と過激な人が分かれる方が本質的にはドラマが作りやすい。そして、杉本哲太がいる意味もよくわからなくなっている。

最後には、これ、現代に戻れる方向に動いていくのだろうが、キャラ付けを明確にして、ここに残りたいと思う人が出てくるような状況も作るのが普通だと思うが、そういう、人の思いの変化が描けていないので、面白みにかける。

そして、最後に唐突に間宮祥太朗登場。物理学の先生らしい。タイムスリップを解明するということか?そして、未来では松雪泰子がオーロラを見て光る石を見つける。この辺の描き方も、もう一つ刺激的になっていない。まあ、根本的な漂流のサバイバル感が足りないからだとは思うが、デジタルでものを作る昨今は、やはりどんなものを描いても汚れ的なものがなくなっていてリアル感がなくなるのでしょうね。そこにあまり持っていくと、視聴者から汚いみたいなことを言われるのはわかるが、ドラマの中の空気感を作る塩梅というのが難しい時代だということだ。

そして、なんとなく、上白石と赤楚の恋物語みたいなものが描かれてはいるのだが、この辺りもドラマの中で良いエッセンスになっていないのが実情。色々と、脚本の抑揚が足りないというところなのですが、後4回で着地させるところで、現代に戻ってきた彼らがなにを思うか?ということが重要なわけで、その辺につながるものがあまり見られないのも、今ひとつどうかな?と思えるところではあります。

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