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「さらば、佳き日(第4話)」ドラマとしてのコクは薄いが、美しく撮ろうとしてるのはわかる

4回目。前回は山下美月が鈴木仁と二人きりの実家を飛び出して一人暮らしをするまで。ここにきて、ドラマは過去と現在を行き来することなく、リアルに二人の恋の行方を追う形になる。そして、今回のラストは疲れ果てて再開した二人がキスをするところまで。ここで、二人の愛情は形になって現れる。昨今は、愛してなくてもキスする日本人だが、こういう、ある意味、許されない愛という形の中ではキスは特別に描けるのだなと思った。

で、ここで疑問が生じる。世界的にLGBTというものがオープンになっていく中で、近親との愛情が激しくなっても、結婚という形にはならない。そして、それを強く求める運動もない。もちろん、人間として血が近すぎることでいろんな不具合があった過去があってのことだが、このドラマのような兄妹愛的なものは昔から描かれており、現在も実際にあるわけだ。この辺りがあまり語られないのは、何故なのか?このドラマを見ていて、人間の愛情に対する勝手な価値観みたいなものを感じたりした。

少し、話がズレた。どちらにしても、こういう兄妹LOVEみたいなものを正攻法に綺麗に語るような物語はなかっただろう。なかなか難しい問題なのだが、このドラマもプラトニックで動いていた末にキスに到達してしまうと、この先の動きがすごく気になるわけだ・・。

そんな中で、今回は山下が家を出て、腑抜けになった鈴木の姿を追う。彼は大学を出て動画関係の会社に入ったようだが、あまり気が入らない感じで上司にもよく思われていない。この仕事したくない雰囲気の演技、鈴木はなかなかうまくできていたと思う。大学の友人たちと話すところも、あまりドラマを作る感じで描かれていないので、逆にリアル感がある。そして、彼が出版の会社に移る流れもわかってくる。

そんな中で、誰もいないはずの家に、灯りが灯っているのを見て、山下が帰ってきたかと思ったら、母親の小沢真珠の登場。小沢、こういう毒親役はなかなかうまいというか、非日常性がある女優さんなのでインパクトが強いのだ。しかし、目も大きければ、鼻も高い。本当の美人すぎて普通の女優さんとは違った路線にいる人ですよね。でも、こういう役やらせたらすごい印象的。まだまだ、使われていく女優さんでしょうね・・。

そこでのやり取りはあまり確信はついていなかったが、ドラマにこういう乱れを起こすことで、恋心がつのっていく様はうまく描けていた。まあ、今回のラストのキスシーンはなかなか綺麗であり、ここから、また二人が一緒に暮らすまでのドラマがどう描かれるかは興味深い。

今回は山下の出番が少なかったが、やはり山下あってのドラマだと思う。次週に期待!



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