「君が心をくれたから」永野芽郁の美しさに、話がうまくシンクロしていけるか?
いつもながら、注目視される月9ドラマ。とはいえ、また視聴率は低かったようで、もう月9だから見るみたいな人は絶滅危惧種なのでしょうな。とはいえ、昨年の最後に私は期待に応えてほしいということを書いたが、2024年の初めはファンタジー恋愛ドラマ。初回を見て、意外性は感じないが、うまくまとめてほしいなとは思えた。そして、何よりも1時間半、永野芽郁を見ていて飽きなかった。16歳の役と26歳の役を無難にこなし、その暗めだが、可憐な表情は視聴者を惹き込んだと言える。彼女じゃなかったら持たないと言わせる感じはなかなかすごいです。
と言いながらもドラマの設定は古臭く、印象がベタ。まず、恋をする二人の名前が「雨」と「太陽」。そして、周囲から疎んじられる感じの二人が10年後の再会の約束をする。山田裕貴が花火師、永野芽郁がパティシエ。だが、10年後その夢は叶っていない。山田が色覚障害とか、永野がどこで働いても使い物にならないとか、暗い再会であり、暗い初回というところ。何か勢いがつかないシナリオ。ただ、舞台が長崎なわけで、その辺りはプラスに出ている。やはり、ドラマは全国のいろんなところを舞台にしていって欲しいかな・・。
それで、永野芽郁の母親がDVだったとか、暗い人生を送る中で、山田裕貴が彼女の太陽のように存在したということなのだろう。そして、永野が携帯を持ってないということで10年間のブランクがあったというのは、ちょっと作り過ぎの気もしますよね。二人の大事な高校時代のエピソードがあまり視聴者に熱く伝わってこないのはこのドラマの初回の大きな弱点である。人生の方向性が見えてこない高校時代だから、10年間、ニッチもさっちも行かなかったという感じなのかもしれないが、印象は永野の刹那い表情だけ。この人は、まだまだ綺麗になる途中にいますよね。そんな感じがいい。
で、そんな10年分の後悔の末に、山田が交通事故に遭い、そこに永野が居合わせて、ついでに「案内人」と名乗る、普通には見えない人の斎藤工と松本若菜が出てくる。そして、彼らは、永野に山田を助けてあげる交換条件に、永野の5感を三ヶ月以内に順番にもらっていくという。それが何に使われるとかは言わずに、なかなかよくわからない取引。永野にしたら、一度は諦めた人生だから、山田を助けるならいいだろうと思って頷いたのかもしれないが、5感がなくなって生きていくのは大変なこと。あの、ヘレンケラーだって、味覚はあったし、触覚もあった。ある意味、5感が全てない人など、この世にはいないと思うが、このドラマはそんな提言の中で何を言いたいのだろうか?ある意味、この案内人のやりたいことが見えないことがドラマ的には重要?だが、この最後の話で次をみようと思う人が何人いるかですな・・・。
ある意味、そんなファンタジックな内容入れなくたって、正攻法に二人の人生のリベンジが始まるみたいな話でも十分に成立しそうな感じはしますけどね。そして、永野の5感が失われたら、ハッピーエンドにはならないよね。どこに持って行こうとするのか読めなすぎるところを面白いと思う人は何人いるのだろうか?
とにかくも、主人公二人のこれからの存在感だけがドラマのエネルギーになっていきそうな感じはなかなか辛い。考えれば、山田はちょうど一年前にこの時間にロースクールの暗い先生をやっていたが、随分と若造りの役をあてがわれたものだと思う。33歳でまだ高校生を演じるか!と少し驚く。そして、永野は今24歳だから、役柄にはちょうどいいところだろう。そして、先にも書いたように彼女の刹那さいっぱいの美しさだけはずっと観ていたい感じではある。役柄がそれに伴って有機的であってくれればいいのだけれどなと思うが、半分くらい危うさを感じますよね・・・。
とにかく、民放プライムタイムのドラマ、2024年の先陣を切っての放映開始!良い印象のドラマになってくれることを望みます!
しかし、このタイトルも、なんとかならないのですかね・・。
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