「クライムファミリー」詐欺師と強盗だらけのドラマということですかね・・。
脚本はヤングシナリオ大賞で佳作を取った二人、伊藤優と北浦勝大。そういう意味では、これが面白ければ次はゴールデンのドラマという道を進める感じなのか?昨年の「Silent」の生方美久もそうだったが、このラインはいまだに期待ができるところがある。そして、昨今は女性脚本家が注目を浴びやすい中で男二人での作品というのも興味深い。
とはいえ、確かにこれは、女性脚本家の臭いはしない作品だ。だいたい、出てくる人間がみんな壊れてる感じで、これからの処理の仕方がなかなか難しい気がするからだ。まあ、設定はそれなりに面白いが、初回のスピード感はイマイチだった。
主演は本郷奏太。顔は知っているが主役としてはどうなのか?だいたい、施設出身の詐欺師で強盗だという感じがしない。まあ、しないからこそこの主役をやっているのだろう。考えれば、昭和の東映映画などには、そんな輩がよく出ていた気はするが、昨今は珍しい。だいたい、詐欺をやる奴と強盗をする奴は別になってる気もする。そして詐欺にして、ハーバード出身とか、柔道黒帯とか、すぐバレる嘘をついてるスカスカ感はなんなのだろう。
まあスカスカだからこそ、この家の娘と息子には、すぐに正体がバレ、逆にいいように使われる感じになっているのだろうが・・・。初回はまずは、娘の吉田美月喜のパパ活の手助けというか、ストーカー処理みたいなことをしたりさせられ、うまく取り込まれ、最後には息子にスタンガンで倒されて、どうも服従させられそうな雰囲気。あくまでも、主人公の本郷が一番立場が弱そうな感じが面白くなりそうなところなのだろう。
そして、父親が大倉孝二で、母親が真飛聖という、なかなか個性的な俳優をあてがっているのは、彼らの方がもっと悪そうだということだと思う。大倉の部屋からは、カバンの中に血のついた札束とナイフがあることは、本郷がこの家に強盗に入ったところでわかっているわけで、この辺からどのように話が広がっていくか?というところ。そして、大倉がなんの仕事をしてるのかもまだわからない。家庭教師と用心棒をやってもらうのに、本郷の前に簡単に札束、積んでるのは、彼が悪いことしている感じではあるが・・・。
最初から、本郷がクイズを答えさせられているが、これは今後も続くのだろうか?今ひとつこのシーンがドラマを止めているようにも感じるのだが・・・。
結果的には、壊れた家族が主人公である以上、そのあたりが社会風刺的な一面を示してほしいみたいなのが私の気持ちだったりするが、まあ、新人シナリオライターたちのお手並み拝見という深夜ドラマということでしょうね。それなりに楽しみです。