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「未来への10カウント」ボクシングの話が面白くないわけもなく!観ている方が殴られるようなドラマを期待!

最後に、なんか盛り上がってる満島ひかりに「青春?」と囁く木村拓哉。そう、木村拓哉は、青春なんて…。という役柄を演じ続けている。そして、今回もピザ屋の配達から始まり、不機嫌な芝居。こういう定石通りの芝居ができることをもう貶すよりも誉めるべきだろうと私も思いつつある。それで、ドラマの絵になってるわけであり、壊しているわけではない。そういう役者は、昔は大根役者と言われたが、最近では、そういう言葉もあまり聞かないですしね。あくまでも、私自身、木村拓哉の芝居というものを認めざるを得ないところがある。

そして、それなりのものをきっちり書ける、福田靖脚本。「HERO」とか「CHENGE」とかで、その木村の芝居でどういうふうにドラマの空気ができるかは知り尽くしていると思える人。あえて、木村のいつもの雰囲気に合わせて書かれた脚本のように見えた。

進学高校の弱小ボクシング部が舞台。学生の時にボクシングで花を咲かせたが、目を悪くして引退、その後、妻を失くすという中で、自分の内に篭って定職も持たずにいた男の、アイデンテティー回復の物語である。そして、進学校の若者たちとのふれあいの中で、何が最後に掴めるのか?というところだろう。わかりやすい設定は、テレビドラマ的には、初回で成功を約束されているようにも感じた。CXの月9の路線が青春劇から遠ざかっているので、こういうドラマを見せられることは嬉しい。

木村拓哉といえば、なかなか相手役の女優を決めるのが大変なような話がよく出るが、満島ひかりとは、なかなかのコンビネーション。二人がどう対立し、どう影響されていくのかが面白さになっていくのだろう。いろんな予想ができる。

そして、今風なのか?ボクシング部に女性部員がいる。演じるは山田杏奈。この間ビデオで彼女の主演作「ジオラマボーイ・パノラマガール」を見たのだが、その2年前の彼女より、数段、存在感がある。というか、目力がなかなか印象的。このドラマの良いスパイスになることは確かだ。それに対して高橋海人はじめ、男優陣は今ひとつ迫力に欠ける。この後、村上虹郎が加わるようなので、そこからどうなっていくのかというところだろう。

とにかくも、初回は、木村拓哉がボクシングコーチを受けるようになる流れをなかなかうまく描ききる。そして、彼の経歴を彼自身が回想などを含めて話すのではなく、生徒たちがインターネットで見つける的な展開は、今風だが、説明臭くなくよかった。満島も、全然知らなかったボクシング用語をネットで調べたと言っている。こういうところは、2022年のドラマですね。

そして、ボクシングドラマといえば、ボクシングファンは試合シーンにうるさい人が多い。今回のスパーリングはまだ裸にもなっていないし、わからないが、リングに上がる俳優はそれなりに鍛え調整しているはず。その辺がどこまで迫力出せるかというところは楽しみ。やはり、ボクシングドラマは、ボクシングというスポーツに対し敬意が示せるかどうか?というところが大事だと私は思ったりしています。


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