「初恋と悪魔(第3話)」松岡茉優の不思議な存在感と、
ラスト、仲野太賀の兄を、松岡茉優が知っているという告白。この告白がドラマの次の章として動き出す感じ。
今回の最初も、仲野が振られて、花束を持ったまま職場に戻ってくる。そこで水撒きをしている松岡が、仲野に水を浴びせる。水というものは、意味なく画面を有機的する。このシーンで、二人がなんか近づく感じにも見えるから不思議だ。ここと、ラストがうまく繋がってる感じに見える今回。
そんな今回の事件は、松岡が生活安全課としてスーパーに派遣され、万引き犯を捕まえるべく仕事をしていた。だが、確実に万引きした犯人が捕まえても捕まえても、万引きしたものを持っていないという状況が続く。松岡がキツネにばかされたような話。
松岡を好きな林遣都を促して、事件解決しようとする警察の暇な仲間。林の心の不安定さも手伝ってなかなか始まらないが、捜査会議を開くと意外に無駄な時間なく、事件の本質を解き明かしていく。いつものように、セットを作ってそこから、彼らが中に入って捜査。そして、ビデオカメラの中身を見る時間には、ビデオは稼働していないという事実に辿り着く。今のシステムだとこういうことはまずないとは思うが、坂元裕二、古い人間だから、こういうこと思いつくのでしょうな。まあ、ビデオが動いていない時間を作って、その間に金庫を開けて、お金を横領する。単純だが、テレビ的にはわかりやすい流れ。
そう、何度も出てくる、松金よねこが、なんか不穏な気はしたが、あまり犯人などやったことない人に、こういう役を振るのは、一つの推理劇の手法としてはありですよね。
そして、今回は、刑事事件でもないので、本物の刑事は時間に絡んでこない。ちょっと残念。まあ、でも、このドラマ、仲野太賀の兄の死に至る謎を追いかけることが、ドラマの主軸だろうから、そっちをどううまく開示していくかですよね。そして、松岡が大きなカギを持っていたというのが今回のラスト。
坂元裕二脚本的な変化球みたいなものが、あっちこっちに飛び始めている。だが、全体像が全く見えてこない感じは、さすがというか、連続ドラマの作りかたを知ってるからこそできる技なのでしょうな。
柄本佑は、ドラマ全体を俯瞰して覗いているようなタイプであり、仲野太賀は、身内を追っている当事者であるが、ドラマ的には狂言回し的な役になっている。やはり、主役は松岡と林なのだろう。林がこの仲野の事件にどう関係しているのか?というところが、大事なところなのですかね?