「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱」親父の霊と謎の女に戸惑うファンタジー?
週末の深夜枠にしては、高橋一生、本田翼、橋爪功とそれなりに豪華なキャスト。とはいえ、ほぼ三人の絡みの中でドラマが続いてく感じなのだろう。脚本は橋部敦子のオリジナル。そして、金曜の夜に霊の行き場がないドラマを見たと思ったら、ここでも最初に橋爪が死んで、その橋爪が生きてる時に蒔いたビラに引き寄せられた本田翼がやってきて、一緒に橋爪の霊も現れて新しいドラマが始まるという設定。親父が死んで息子にだけ見えるという設定は赤塚不二夫「もうれつア太郎」と同じなので、私などの世代は馴染みやすい。とはいえ、霊になった橋爪、場面ごとに着ているものが違う自由な感じが面白い。どちらにしても、スピリチュアル的な世界を描くドラマの多いことよ。それも、現実の世の中がどうにもならない感じの裏返しなのでしょうか?あとは、こういうドラマの方がアニメをエンタメの主とする若者には見てもらえるというところもあるのでしょうね。
で、初回はその死ぬ前の、橋爪と高橋のケンカのような仕事の話に始まり、結果的にはそこで橋爪が話していた、個人向けの花火を打ち上げて、その客である本田が「ここで働かせてくれ」と言ってくるまで。
本田は「君を花にする」に続いての連ドラ出演。前回の役より、こういう謎の女的な役の方が似合う感じがする。あまり、テンション高めの役だと、演技が下手に見えるというか、今ひとつ馴染んでこない女優さんであることは確かで、こういう一歩引いたような謎の女だと雰囲気は合っている。そう、この人は雰囲気というか空気感で好き嫌いが分かれる人なのだと思う。私的には今回の翼さんは、とてもいい感じだと思うわけだ。
そして、高橋が彼女に花火を上げてあげて、鼻で笑われるという展開。ここでの本田の鼻で笑う演技はなかなか秀逸。こういう演技がスッとできるのは下手な役者さんではないと思うのですよね。そして、それがなかなか可愛かったりする。ということで、最後に彼女が再度現れることでドラマが動き出す感じは、ベテランらしいうまい脚本でした。
あと、ここからドラマを牽引するのは、高橋と橋爪の霊との掛け合いでしょうね。なかなか、初回から息があってるし、そこに本田が絡んでくることでどんなファンタジーワールドが成立していくのかは、かなり楽しみなところです。
あとは、花火師の仕事について、興味深いネタも入れて欲しいですね。初回も、花火を一人の人にあげるにはどれだけ大変かという話があったが、そういう話もだし、あと、花火の中身の話ですよね。そう考えると、結構楽しみなドラマにはなりそうである。