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「東京タワー(第2話)」"恋はするものじゃなくて堕ちるものだ"という定型的なセリフをいかに画にしていくのか?
このドラマは、やはり永瀬廉が、母親ほど歳の離れた女性と恋に堕ちるというところが見どころなのだろう。そういう意味では、永瀬廉の演技というか、漂わす色気にかかっているというところはある。そう考えてドラマを見ていくと、もう一つ気に入らない私である。彼は、それなりの色気は持っている。ただ、そこに男のどうしようもない女々しさというか、だらしなさがない分、もう一つ破綻する方向の色気を感じない。そういう色気が最近では流行らないのかもしれないが、ジャニーズの崩壊は、ある意味、ただ綺麗な人形の男の時代が終わったのではないかと私は思っている。
今クールも、キムタク、山P、亀梨らがドラマの主役として存在し、永瀬も含めそれぞれに、今まで通りの演技というかスタンスで芝居をしているが、もうこれって古臭くない?と思うところがある。令和のポストコロナの男像みたいなものが欲しい気がするのだ。まあ、名前を出した面々が永瀬以外は歳とってしまっていて、あまりここからの可能性が見えないのもあるが、何か、彼らは凡庸に歳をとってここまできてしまったのではないか?と感じたりするのだ。事務所問題をきっかけにもっと違うスタンスを希望する私なのだが、多分、演出する側もそういうものが見えていないのだろう。
そんな中で、永瀬はまだ若い。こういう定型的な昔からある不倫話を演じるのはチャンスだと思う。永瀬なりの恋の堕ち方、苦悩の仕方を演じて欲しいと思うのだ。そういう点で、ベッドシーンやキスシーンにももっといろんなパターンの顔を見せて欲しい気がするのは私だけだろうか?
変な話だが、こういう親子くらい歳の離れた設定はAVにはよくある。そしてそこは、それも男優は添え物だから、男のフェロモン的演技を期待する場ではない。そう、歳上に迎えられ遊ばれながらも、最後に支配しようする男みたいなものを永瀬が表現できれば、こういう定型的なものはもっとエロくなると思うのだが。
今回のラスト、オフィスでの二人だけのキス。こういうのは設定に合わせ、もっとエロさと危うさが感じられないといけないと思う。
ここでは、永瀬の友人の松田元太とMEGUMIの不倫風景を重ねることで、エロさをハモる感じに描いていきたいのだと思うのだが、そういう意味ではMEGUMIはそういう演技がうまくない。そして、彼女のつれあいがおいでやす小田であるのは、ちょっと不倫として奪う感じには思いにくいと思いませんか?こういう不倫ドラマって男優の選定が結構大事なのですよ。
設定的には、永瀬の母親のYOUと板谷由夏が友人というのは、結構スリリングな感じである。これ、YOUが知った時の演技が楽しみな気はする。
「恋はするものじゃなくて堕ちるもの」だとか、定型的なセリフで終わったが、もう少し今風の新しいセリフが聴きたい気もしますよね。だいたい、永瀬にしたら、というか男からしたら、SEXの快楽に溺れてるのが90%くらいでしょうからね・・。