「あのクズを殴ってやりたいんだ(第5話)」世界中の人がなんと言おうと、私がそばにいます。
そして、女が男を後ろから抱きしめながら、「好きです」という。なかなかいいシーンであり、ここで、二人の関係がはっきりしだす。そう、玉森裕太に吹き付けるアウェイの風が強くなったところで、ドラマは先に向かう。これ、前回も書いたが、ほぼ「あしたのジョー」に重なる拳闘ドラマである。そのバックグラウンドに人生の殴り合いみたいなものが見える。そして、それは、殴った方が負けのルールの中でおこなわれているのだ。
そして、それに引きずられるように恋愛ドラマが動き出す。だが、次回はもう奈緒は試合に向けて動き出すようだ。その前にプロ試験を受けるの?どちらにしても、さまざまな殴り合いが続く。
しかし、玉森を地域イベントから追い出した橋本じゅんが彼の父親だったとは。苗字が違うのは勘当したから?玉森が母方の苗字を名乗ってるということか?夫婦が同じ苗字を名乗ろうが、そうでなかろうが、こういうことは起こる。だから、家制度が曖昧になった今では、そんなことどうでもいいのだ。でも、橋本は、玉森を家の恥だということで話も聞かないのだろうね。そして、カメラマンのアシスタント仕事がもらえると思いきや、また、元ボクサーでの過去が風評で流れダメになってしまう。ここはちょっとわからないのだが、カメラマンのようなアウトローな仕事でそんなこと気にする?まあ、バックグランドに大企業がいると、コンプライアンスとかなんとか言ってこういうことはあるのだろうが、写真など、感性次第なのだよね。そして、過去があるから、彼は彼の写真が撮れるのだ。
それを裏付けるのが、食堂の夫婦の写真から派生して、彼の写真が褒められるところ。そう、写真は写す人も写される人も性格が出るものだ。そして、ドラマ内で使われた写真はその心の風景を見事に写し出していた。こういう演出は好きだ。
そんなことがあって、殺してしまった大東駿介の命日に、その両親に謝って供養しにいく玉森。土下座して深く頭を下げてもわかってもらえない。この父親も糞であるが、ドラマとしてはこのくらい糞でいいのだろう。そして、前回、玉森の花をちぎって捨てた渡部篤郎も心が砕けていく。彼が花をちぎったのは、玉森の心が整理されていないことにあるのだろう。が、表現としては難しすぎる。
そして、また谷底に落とされる玉森。そこに寄り添う奈緒。だが、周囲は、そんな二人をよく思ってもいない。特に前回から悪意のフラグを出し続ける玉井詩織。どんな悪さを二人にしてくるかわからんが、こういうの一番面倒である。
とにかくも、最後は玉森をリングに戻してやりたい気はする。そう、そこにボクシングで殴る意味合いが見えるなら、ドラマとしては成功だろうと思うのだ。