「ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○(第6話)」過去の事象は消せない。でも、それを打ち消すような未来に歩き出すしかない?
なかなか、後味がたまらなく刹那い感じの第6話。中学生の黒木華が出てくる中で、「友達とは何か?」という問いかけは、このドラマの本質とはかけ離れた青春ドラマである。そう、自分は友達だと思ってなかった人が、友達として存在したかったみたいなことは、結構あることなのだろうと思う。波長があっているのに、友達としては成立しなかったみたいなこともあるとも思われる。そう、派閥やカーストみたいなものができた教室の中では、そういうことは普通に起こるし、それは大人になってもあまり変わらない。部署が同じだったら友達になれただろうみたいなのは結構あった気がするからだ。
そういうことを考えると、赤いスニーカーを捨てられずにいる黒木の心はかなり虚な感じなのだろう。そう、確認したいものがいなくて、相手が友達になりたかった証拠だけが残っている。そして、この事象が彼女に事実を追いかける癖をつけさせているのも確かなのだろう。こういう役に黒木はピッタリである。
そして、黒木の中学生時代をやっている役者さんは、黒木そのものだった。本当に最近の子は瞬発的にこういう演技ができる人が多い気がする。どこから探してきたのかしれないが、見事に黒木の演技をトレースしているものね。そして、死んだ友人役の彼女もなかなか良い芝居でした。この芝居があって、最後の黒木と寛一郎の対話が沁みてくるわけである。寛一郎が持っていた、死んだ友人の進学希望届けには、かなり心を揺さぶられた。こんなこと書いてくれる人、そうはいないよね。
そして、今日のもう一つの話。黒木の話とシンクロするのは、昔々の万引きの話が人気漫画家を炎上させるという話。まあ、似たような話は芸能界では何度かあったし、そういう過去を時効だと言って手柄みたいに話す人は一般にもいる。昔は、こういうことを雑誌に書いてもスルーされることが多かったが、昨今はネットに上がって目立ったら最後という感じですよね。こういう炎上を狙って昔の雑誌とか読んでる暇な人もいるのでしょうね。このターゲット役のやついいちろうさん。いつもはただただしゃべくる役が多いが、今回は至って真面目な役。こういう演技もできるのですね。万引きした少年の漫画を好きだという店主に対する複雑な表情ができるということでやついさんなのでしょうな。なかなか良いキャストです。
カンフル編集部としては、ページビューを稼げない記事ということでちょっと残念という空気ですが、結局、彼らは取材せずには記事が書けなくなってしまったわけで、寛一郎も入り、カンフル編集部の逆襲?みたいなのがここから始まるのでしょうか?まあ、次回からの後半戦、楽しみではあります。