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「ファーストペンギン」初回から、奈緒のフルパワーの演技で圧倒される、痛快篇!
奈緒主役というのが、どう出るかと思ったが、相手役である堤真一を圧倒する激しい演技で、初回を見る限りは、かなり面白くなりそうな予感。脚本、森下佳子なので、この勢いで最後まで乗り切っていけそう!期待大!
このドラマ、実話のモデルがいるというから、そのモデルの女性から受けた
インスピレーションで、この主人公は造形されているのだろう。とにかく曲がったことが嫌い。意味ない常識が大嫌い。そして、楽しいことをやっていたいし、絶対に自分がいいと思ったことは貫くという、この不景気に立ち向かう強い女性像である。そして、相談相手の渡辺大地がいるものの、かなり頭が良く、実行力がある。ドラマとしてデフォルメしてあるのだろうが、スーパーウーマンですね。
この題名の「ファーストペンギン」という言葉を、私は朝ドラ「あさが来た」で知ったが、あそこでも、主人公はある意味、スーパーウーマンだった。未知のところに、無防備に飛び込んでいけるのは女の特権なのだろうか?実際のペンギンも、最初に飛び込むのはメスなのか??
とにかく、今回、ラストで、梅沢富美男に、口で畳み掛けて勝ち抜く状況は圧巻だった。(勝手はないのかもしれないが)その前の宴会の席での風情とビジネスをやってる時の顔と、全く違うところがなかなかイカす役である。そして、初回のここまで辿り着くことに対し、何の苦労も感じずに行き着くところがいい。普通なら、役所にハンコもらいに歩くところで、臆病になるだろうし、ましてや、農林水産省まで行ってしまうとは、・・・。ここまでテンポ良くいくというのはファンタジーなのでしょうな。でも、実行力のある人は、この辺りすんなりやってしまうとは思いますが・・・。
その農林水産省の担当が松本若菜。「やんごとなき一族」で、今までにないエグい役をこなした後、また、随分とお堅い役である。もう、昔のような普通の女性の役は回ってこないのか?それでも、ここの役に彼女を置いておくのは楽しみです。
そして、魚の流通の問題点を茶の間に曝け出してくれるのは、なかなか面白い。消費者としたら、どうしたら美味しいお魚が安く手に入るのか?というところが興味深いところ。そういう色々な視点で、現代と過去の歪みのようなものが描けるなら、この上ないし、主演の奈緒の芝居を見る限り、大丈夫そうである。
奈緒、この間観た「マイ・ブロークン・マリコ」でもなかなか良い演技で助演をしていた。そんなに、個性的な顔の女優さんではないのだが、芝居はなかなかしっかりしている。堤真一とのやりとりの呼応も良さそうである。とにかくも、元気が出るならそれでいい!お魚がいっぱい食べたくなるドラマにしてくださいな!