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「ブルーモーメント(第4話)」自然の脅威と美しさは表裏一体的な考え方
前回の主役だった夏帆が最初からSDMに馴染んでる感じはまあいいとして、この中でリーダー的存在である、山下智久が、まだマスコミ対応の顔と、実際の業務をしているときの顔を使い分ける感じは、必要なのか?と私も思う。今回、それを夏帆が何回も問う感じが面白かった。
そして、今回の災害テーマは竜巻。温暖化もあるのだろうが、最近は世界中でその被害が出ている。そう、私が子供の頃は、おとぎ話の中の話だった気もする。それが、最近ではよく耳にする災害になったことは、本当に、自然が怒っているというか、そういう災害を起こさないと地球の環境がバランスをとれなくなっているということなのだろう。その辺りをうまく伝えるドラマにしたい気持ちはよくわかる。そして、それを小さい子から大人たちまでに知らせるには、確かに山下のマスコミ対応の顔は必要なのだろう。でも、こうやってうまく?使い分けられる人は少ないよね。石原良純みたいな人がそういう立場で仕事ができたら、良かったのだろうが、最近は、彼も気象予報士的仕事はしていないものね。
そして、今回は、出口夏希の姉で、出口の心のトラウマにもなっている、石井杏奈が出てくる。車椅子でいるだけで、災害の怖さみたいなものを知らせる感じはドラマならではだし、石井のなかなか少し陰鬱な感じの演技が光っていた。こういう点では妹役の出口夏希の姉的な匂いをちゃんと出してるのはいい。というか、確実に彼女もいい役者になっているなと思ったりした。
そして、竜巻の被害を防ぐために、出口がマイクの前に立ち、油断してはいけないことを強く叫ぶところがクライマックス。確かに、被害にあった当事者の言葉は重いし、通じるところはある。だが、それをするのはなかなか大変なことだ。戦争をしてのメリットなど一つもないことを皆知ってるが、それがなかなかできないのは、被害者の声がそこまで大きくなっていないからだと思う。というか、理不尽な被害を受けたものは、もはや声を出すのも難しいのが現実である。ビデオが氾濫する時代でも、災害そのものの姿をビデオにすべて残すことは無理だし、そのリアル体験は、人も心をこれでもかと痛めつけるのだ。そういう意味で、この出口の演技は重要なのだが、それ自体はもう少しという感じもした。
とにかくも、それにより大きな被害はなく、最後に、ダブルレインボーを子供たちに見せる展開は、出来過ぎであるが、こういうドラマでこういう世界に興味を持つ子供がいるなら、それでいいのだろう。
で、最後に警察からのリーダーとしてSDMにやってくるのは橋本じゅん。彼の警察官役というと、MIU404を思い出すが、ということは水上恒司との共演はあれ以来?そんな楽しみもあるが、山下とどういう対立が生まれるかというところですね。