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「スペシャルドラマ グランメゾン東京」コロナで魂を売ってしまったレストランというのはあるのでしょうか?

このドラマを放送した翌日に映画公開というスタンスを知らなかったので、このドラマよりも先に映画を見てしまった。そこでも、ここでの舞台の「グランメゾン東京」のシーンがワンシーンだけ出てきたので、もっとちゃんと見せろよと思ったら、こちらがそのちゃんと見せるところだったのですね。

でも、コロナ禍で資金不足に陥り、大企業に店を操られるような形になって、星三つが0になるとは。そして、経営支援した方は、三つ星シェフの鈴木京香の知名度を十分に利用して儲けていたという話。そこに上手く流されてしまって、味も凡庸になってしまい、閉店寸前という状況らしい。

そんな時に、鈴木と中村アンが京都であるレストランに入ると、その料理は明らかに木村拓哉が作りそうなものばかり。そこで、前には商売仇だった窪田正孝と一緒に料理人として働いていた木村。「グランメゾン東京」をぶっ壊してからパリに行くという。つまり、この時点で、すべては仕組まれていたという話なのね。

で、映画の方は木村主演なのだが、こちらは最後に玉森裕太をはじめ、若手たちが頑張るストーリー。玉森は前回のドラマの時に比べたら、役者として面白くなってきてますよね。まあ、前回は事務所問題のある前だしね。あと、吉谷彩子のパテシェの役は好きだったので、またお会いできて嬉しかったです。最後のイチゴを主題にしたショートケーキ美味しそうでし、食べたい!

そして、その「グランメゾン東京」に融資をし利用してる会社の社長が北村一輝。最近は、良い役もやるが、こちらのイケすかない男の役の方がやはりピッタリくる。そして、彼には料理に対する興味が微塵もない感じの演技は流石だし、こういう方は世の中には多い。料理人というものをただのマシンだと思っているわけだ。そう、ロボってあれば売れるものがもっと多く作れるからもっといい。その考えがあって、「東京グランメゾン監修」の冷凍食品みたいなものが出るのだろう。ラーメン屋ならともかく、フランス料理店がこれを出すのは、実店舗にとってはマイナス材料の方が多い気はする。

そんなかんなで、中村アンが敵側についたり、状況はずっとアウェイ。そして、玉森や寛一郎たちも尾上菊之助のやっている店に引っ張られる危機の中、沢村一樹と鈴木京香は決断をする。全ては玉森たちに任せると、そしてこの場所を守るために星を取り返す計画をする。ミシュランの調査員云々ではなく、その審査を木村、窪田、中村、冨永愛でやることに。このフルコースを出すときの緊張感がこのドラマの見せ所である。料理をドラマの中でうまく見せるにはここが重要だし、そして、そこをエンタメに仕上げる方法をここのスタッフは熟知してる感じも好きである。そして、最後に結果など言わずに出ていく4人。車に乗る冨永が「美味しかったわね」というのは、最大限の評価であり、その後に星を取り返す報道が届く。映画のパリの風景に繋げるドラマとしてはうまくできていた。

だが、映画版を見るとわかるが、鈴木京香と沢村一樹がパリの店に関わる過程はわかったものの、そこからパリの店を立ち上げるところは描かれない。そして、その中で、鈴木がコロナにかかって、昔みたいな絶対味覚を取り戻していないという話が出てくるが、その話はなかったね。脚本を色々直していって欠けた部分なのでしょうか?

そして、映画の前半部もそうなのだが、不機嫌そうないつもの木村の演技は、ある意味鼻につくし、もう一つヒーロー性に欠ける。彼の歳の問題もあるが、この辺りファンの人はどう見ているのかな?あと、一緒に店をやっている窪田も何か木村の演技を真似しているようでいつものキレがなく、印象も良くなかった。この辺り、演出の塚原あゆ子さんはどう思ってやっているのかは聞いてみたいいところですよね。


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