「コントが始まる(第7話)」新しい出発の前のもどかしさに共感する
コントのラストのサーフボードが折れるところは、笹かまにかかっていたのね。まあ、そんな、特に面白みがないオチのコントに刹那さを感じるのがこの話なのである。三人が、金髪になってしまったオチはないのか?
今週のお題は、「酔っ払った有村が再就職に向かう」「神木と古川が近づきキス」「三人を見てきた神木の愛車が売られることに」「三人での最後の地方ライブ」といったところ。
大きなドラマはないが、最後の大きなドラマのために、出演者のもどかしさみたいなものが1時間の中で語られている感じ。最後に愛車を洗車する三人のシーンは、10年の履歴書には書けないかけがえない履歴を洗い流すようでなんか素敵なシーンだった。愛車についた価格は28万円。それが、彼らの活動の価格ではないが、やはりそこをドラマに打ち出してくるのは、刹那さにつながる。
とにかくも、三人がこれから目指す人生はバラバラであることに納得を行かせるために、それぞれの個を描いていこうとする脚本は、すごくそのジタバタ感が出ていて多くの人がそこに共感できるようにできている。そして、こういうのって、半世紀前の青春の繰り返しにも見える。多分、神はいつの時代にも若い時には苦労しろ!と言いたいのかもしれない。
有村は、酔っ払ってファミレスの本採用を受けないで、他の道を模索しようとする。そこに、芳根京子がエージェントとして話を持ってくるのは、少し今風かもしれない。昔なら、親のコネとか親戚からの紹介とかの流れであろう。ある意味、ここのところは、あまり面白みがないし、ここで有村が普通に就職してしまうと、菅田との関係はどうなるのか?というところだろう。
神木隆之介と古川琴音の未来も明確には見えてこないが、(だからこそ、今日は焼き鳥屋のシーンが無かったのではないか)その浮遊感がとても愛らしく見え、そっけないキスシーン、その後の抱擁にはすごい青春を感じたりする。
あと、2〜3話で集結というところなのだろうと思うが、主になる菅田将暉の方向性が全く見えてこない。彼の兄貴は、引きこもりから自立して行っているというのは先週出てきたが、菅田の未来に関してはほぼ何も見せていない。これは、脚本としては既定路線として描いているのだろうから、その行く末はやはり気になる。
兎にも角にも、青春のモヤモヤがいっぱい具現化されて、ドラマとして成立しているのはなかなか愛おしい。
ドラマのオチは、ここで見せられるコントのオチとは、一味も二味も違うものになるであろう予感はあるが、ただただ残りの回を見守ってあげたい作品である。