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「ペンディングトレイン~8時23分、明日 君と(第5話)」2060年にいるのは分かったが、なんか荒んだ話になりつつあるね・・。

ラスト、古川琴音と上白石萌歌が金髪の死体を見つけ、なんか半グレみたいな奴らに追いかけられる。というか、こんな輩が一緒の電車に乗ってる想定がなかなかしにくいが、話がだんだんと嘘っぽくなってきましたよね。

萩原聖人がIT会社の社長とか言ってるが、そんな人が電車に乗っているのか?松雪泰子も然りである。そういう嘘っぽいものを放り込まないとこの話は成就しない感じではある。

先週の6号車が見つかるまでは、山田裕貴と赤楚衛二と上白石の3人の少年漂流もの(「十五少年漂流記」とか「冒険ガボテン島」みたいなやつね)に毛が生えたような流れだったが、なんか、敵対するようなものが出てきて、サスペンス要素も出てきて、持っていく方向がよくわからなくなってきた。

とはいえ、ここが2060年で、隕石がぶつかって地球が壊れたということらしいというのが分かったが、そこを萩原聖人が突き詰めるところがドラマにないのは、何か嘘くさいところもある。つまり、この話はそういうSF的な要素はどうでもよくって、人間として今をどう生きるのかみたいな暮らしの見直しみたいなところに主眼を置きたいのだろう。それを描くのにこの設定はなんかねー・・。そう、描きたいものは「日曜の夜ぐらいは・・・」と対して変わらない気がするのですよね・・。

そんな中、今回の最後には、山田、赤楚、上白石の三角関係みたいな空気が明確になってきている。生活的には、風呂ができてひと段落というところだろうが、今ひとつ食料調達の部分が描かれていないのは不自然。川があって魚がいるようだが、それを釣るところも出てないし、6号車の方も人が揃っているとはいえ、サバイバル感がなさすぎる。まあ、皆が数日経ってもあまり臭そうな感じになっていないのがいけないのだけれどもね。

萩原聖人たちの不穏な雰囲気はよく出せていたから、脚本家はこんな小さな緊急に作られた組織でも、戦争が起こるみたいな部分を描きたいのかもしれない。杉本哲太みたいな、どちらにもつかずに生きようとするものが出てくることは、そういうことだろう。しかし、自分で作った人形と話す杉本はもはや精神的に目一杯のところにきているような気もする。気持ち悪いですよね。

今回は、現在の美容院のシーンは出てきたが、事件を追う警察の話は皆無。やはり、現在と未来と両方から事件を追う形にしないと、サスペンス的にはあまり必死さが出てこない。そういう部分、脚本の甘さが見えすぎている。ラノベ的なのはいいが、視聴者が一緒にサバイバルで疲労感を持つような感じにしないと作品的には失敗な気がする。そう、脚本家がのほほんと平和な部屋で書いている感じがするのがいけないのだ。

あと、山田が、「俺は星を見ながら風呂に入る」みたいなことを言ったが、風呂に入るときに星が出てるシーンが出てこないのだよね。この辺は演出も今ひとつノリが悪いという状況なのかもしれない。色々と苦言しか出なくなってきたが、ドラマもちょうど折り返しで、起承転結の転に入るところだと思う。脚本家さん、頑張ってくださいというところですね。

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