
「夕暮れに、手をつなぐ(第7話)」恋心の彷徨う中で、飛翔していく若者たち
「僕たちの夏はやってこなかった」なんて言うんだ。流石に、こう言うセリフがさりげなく使えるのは、世代的なものを感じるが、うまいよね。そして、今回もなかなかまとまりよく、二人の恋心が近づいてくけど近づかないみたいな距離感を感じるドラマに仕上がっていた。
そう、この最後の刹那さができるために、田辺桃子の存在もうまく使われてますよね。そう、みんな恋心的なものよりも、同じ時代を走っている同志的なスタンスの中で彷徨っている感じがとても良かったりする。
そして注目の、広瀬すずが初めてデザインしたドレスは、正攻法な中にアイデアが詰まっていて、なかなかエレガント。ここから、広瀬のデザイン人生がどう流れていくのかは興味深いし、そのドレスが使われたPVを母である松雪泰子が見ているシーンも出てきた。そう、この時点でまさか娘が自分のライバルになったとは思っていないだろう。
そう考えさせるのは、表参道でブランド店のショウウィンドウを覗きながら「皆、ライバルに見える」と広瀬すずのセリフがあるからだ。そう言う匂いというか、関係をドラマとしてどう表現していくのか?二人の再会のシーンを、どう想定して描かれているのか?そんなことがすごく気になる。
しかし、田辺桃子も含めて、別々の道を歩いてきた3人が一つの曲をきっかけに大きく歩き出す感じは、やはり見ていて気持ちよかった。そう、やっぱり世の中、若いものたちが、ある意味無防備に攻めていく感じがあるのが時代の勢いというものだと思う。まあ、こういうドラマ、北川悦吏子の世代だから書けるとも言えるわけで、今の若者はこういうシーンをどう見ているのだろうか?これを見て「俺も、私も」という感じるなら嬉しいが・・。
そして、永瀬廉が家を出ていくという話で後半は刹那くなっていくわけですよ。この辺のセリフのやりとりの間みたいなものが、たまらなく良い世界にになっていますよね。今回は、今まで口数が多かった、夏木マリや遠藤憲一のセリフが少ない。もう、彼らのアシストなしで飛び立ってる感じも良かった。
また、最後はこたつの中。日本家屋で、「こたつ」というものが、なかなかうまく使われていいる。そして、タイトル回収でもないのだろうが、「夕暮れに、手をつないだ」というセリフを吐かせる。つまり、このラストの二人が夏の花火を思いながら目をつむって、手をつなぐシーンが、すごく重要ということなのでしょうね。
つまり、二人の夢がどこまで大きくなっていって、その先にハッピーエンドがあるのか?という感じでしょうか?