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「ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○(第8話)」親ガチャなどという言葉が生まれる世界にいる父への疑念

ラスト、黒木華に「好きです」と言う寛一郎は必要なのか?まあ、カンフル編集部の中が皆、黒木に影響されていく中で、こう言う恋愛話を放り込まなくても、十分にドラマは成立する。確かに、他の人とは違う感性を持っている黒木に恋する気持ちは出るのかもしれないが、視聴者がそう言う目線で見ていないことがあったりするわけだ。そう考えると、ラストに近い中でこの恋愛の挿入は必要なのか?と思ってしまう。ドラマ内では、やはり黒木と溝端が近づいていく感じが普通なのだろうなとかも感じますしね。

今回は、溝端の父が経営する大学の裏口入学話。そこで「親ガチャ」なる言葉が出てきたりする。だいたい人生をガチャに例えること自体が本当に醜い話である。「人生はゲームだ」と言う感じの青春が現在あるのだろうか?まあ、このドラマに描かれているような大学風景はパンデミックの今はなかなか都会ではないのだろう。そして、海の向こうでは戦争が普通に始まってしまう世の中に希望が崩れていく感じもしたりする中で見るこう言う風景は侘しい。

そして、今回のトラブルの首謀者は、派遣社員。私が大学に行ってた頃は、派遣社員などと言う言葉が普通に流通してはいなかった。そんな差別的な用語と職業を生み出した結果が今のこう言う状況だ。首謀者の彼女が作ってる茶色い弁当は、ドラマの作り手にしてはとてもうまい表現だったと思う。こういうのが実態なのだと思う。まあ、大学によってはおしゃれなカフェテラスが安く使えるようなところがあるだろうが、この大学はこう言う弁当で働く派遣社員がいるところだという投げかけは結構すごい提示だと思う。

そして、裏口を疑われた本人は至って爽やかなやつだったりして、それと対峙したことで派遣社員はまた奈落に落とされるような感じだったのは、まあわかるが、そう言う精神状態にさせてしまう世の中の不合理をここにも感じたりする。

まあ、脚本的には、実にたまたま必要な人にうまく会うことができたりして、都合の良い脚本だが、取材を執拗にしていくと、こう言う偶然が続くと考えればそれも良しと言うことか…。とにかくも、なかなか見終わった後で考えさせられることが多かった回であった。

野間口徹があまり現代のことをよく知らない存在とされて、話の中で出てくる用語を石井杏奈に聞いたりするところがあるが、こういう優しい注釈の入れ方はとても良い気がする。そして、野間口がやることでドラマがうまく回っていく感じが好きだ。

あと、りょうさんの食堂で溝端に出された、ブロッコリーとスプラウトの親子丼って、ドレッシングしだいで結構アリかもとか思ってしまった。緑のおいしそうな飯、興味深かったです。

雪のシーンありましたね。この間の雪でしょうが、脚本では雪など降っていなかったのでしょうが、雪のシーンで語らせることでなんか神妙な雰囲気が出てましたね。こう言う怪我の功名みたいなの好きです。

後2回か3回、ラストの大きな事件は何になるのでしょうか?

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