「放課後カルテ(第4~5話)」親だけでも、教師だけでも、医師だけでも、子供は前に進めない事実
5.6話の主役の子供は、精神的に病んでいて、みんなで作った七夕飾りを故意に壊してしまって黙っていたり、心が不安定。そんな中、学級は野外学校に行く。こういうの、私たちが小学生の時にやっていた移動教室とか臨海教室みたいのの発展系なのだろうが、おしゃれな宿泊施設ですな。こういうところであっても、心が不安定な子はなかなかきついですよね。そして、そんな児童たちを監視する教師たちは、昔の比でないくらいの苦労があるのはわかりますな。
そして、この子の母親がいなくなり、父親一人で今一緒に暮らしていることがわかるのと、彼女の足に自傷行為があるのに気づく松下洸平。そして、彼女が気になる中で、松下が病院を追われた話が挿入される。
それは、父親一人で育てられる児童。熱が出て、松下はインフルエンザと診察する。しかし、その後、彼の病状が悪化。松下の上司である、田辺誠一が診察し、別の細菌が入っていたという結論を出す。そのカルテをみて、松下は本当の原因に気づき、彼に電話をし、そして切られた後に彼の家まで行って、彼を病院に連れてきて診察するという無謀な行為にでる。その暴走が彼を学校医にさせた理由だったらしい。そして、その流れは彼の父親には納得できるものではなかった。当たり前である。が、医療とはそんなに整然としてやるものか?というのも、病院にはよく罵声は飛ぶし、感情的に不安定になっている人も多いということ。そこの正義を考えても、なかなか上手くいかない気がする。
そして、今回の彼女の話もそれに似た部分がある。松下は、仕事に対しては至って真面目に向き合ってるが、普通の病院のやり方ではない方法をとってしまうのが間違いのもとだ。今回も、彼女の家に実際に行って、彼女から本当のことを聞き出すという流れを取る。現代だったら、この医師はかなり危うい人だと見えるが、それが普通にできないのが現代の病理だとい言いたいようなドラマの流れ。というか、こういう無謀な中で、視聴者がいろんなことに気づくことが大事なのだろう。
そして、彼女の父親との面談になる。夫婦間ではいろんなことがあったようだが、松下と森川葵が話す中で、父親は「あなたたちに何がわかる」と言い出す。そこで、冷静に松下は医師と教師だけではわからないとして、親も一緒になって考えまししょうと前向きな言葉を発する。少しづつ、松下のスタンスが変わっていることがこの辺で感じる。とはいえ、未だ松下の日常は不愛想だし、彼に笑顔はない。だが、児童たちは彼のことを受け入れるようになっている。面白いものだ。というか、児童たちは、彼を怖いと思っていたところで、話してみると意外に優しいことがわかるからだろう。ドラマは5回目。ドラマのターニングポイント。ここから先、どこで松下が笑顔になるかが興味深いところですね。