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「ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○(第4話)」自分だけにできる仕事を追うよりも「あなたで良かった」と言われる仕事をすべきだ
第4話、ラストで自分だけ戦力外と言われたままの石井杏奈が検索する風景。PCに出てくる画面がなかなかリアル。そして、何ページも先の5chのようなところに辿り着き、黒木華が殺人者だとの投稿を見つける。そう、気に入らない他人などを検索することは私もよくある。多分、相手の弱みを知りたいからだろう。そんなことは多分、日常でいっぱい行われている。だから、普通に言われる個人情報よりも、重要なことがネットから見つけられることは多い。こういう描き方ができるのを見ても、この作品、かなり現代をしっかり描こうとしている。今期のドラマの中では一番硬派なドラマなのかもしれない。
今回はいなくなったYouTuberを古びた屋敷に探す話。そういえば、検索エンジンは架空のものを使っているのに、YouTubeというのはそのまま使っているのはなぜだろうか?この辺りも匿名にしているドラマも多いが、結構曖昧な気はする。
そして、前回、前々回に続き、もう一人のカンフルのメンバー、野村周平が主人公で黒木に嵌っていく回。昔、サッカーをやっていた野村はサッカーの記事の担当になり「お前しかできない仕事だ」と上司に言われるも、その時に彼の祖母が倒れ介護を余儀なくされる。そして、会社に帰ってみれば、「お前しかできない仕事」は簡単に首をすげ替えられていたという履歴の持ち主。ということで、ここでは気楽に仕事をして、介護も続いていた。そんな中、先に書いたYouTuber事案で黒木に付き合わされる。
なんだかんだ言って、不貞腐れるも、黒木の危険を感じ、結局は最後に彼女を守る仕事をすることに。まあ、男は単純だ「あなたは必要」と上司に言われれば仕事にやる気を出すという話。とはいえ、「あなたは必要」という前に黒木がいうセリフがなかなか良かった。「あなたにしかできない仕事などない、でも『あなたで良かった』と言われる仕事ならある」。そう、同じ仕事で同じ結果を出せたとしても、仕事の達成感は誰とやったかにあるということだ。仕事のできない人はこの部分がわかっていないと思う昨今の私でもあったので、とても強い良い言葉だと思った。
そして、話は黒木の過去にフォーカスが移りつつある。そして、寛一郎はそこに関わってくる感じだ。カンフルのチーム自体が投げやりなものから本気モードになったことで、黒木の本当の顔が問題になってまたバラバラになるような仕掛けなのか?どちらにしても、この現在の世界はネット内の嘘と真実から、事実が読み解けない世界だ。さまざまな情報をどう掴みどう発信すべきかみたいなことも意見しながら、なかなか毎回、興味深い世界に私たちを連れ込んで行ってくれるドラマである。