「彼女はキレイだった(第4話)」中島健人の演技の微妙な振幅がこのドラマの鍵?
先に、中島健人の演技が木村拓哉にはできない演技だと書いた。今回のように、一回、邪険にした女の子に謙虚になっていくような演技はそれこそ木村には無理だろう。ある意味、木村は皆の注目の中で、自分の演技スタイルを作ってしまったために、私的には木村拓哉という人の演技はあまり興味をそそらない(下手だといっているわけではない)。そんなことを考えながら見てると、今回の中島健人はなかなか難しい演技をこなしている。
つまり、だんだん馬鹿にしていた小芝風花が気になっていく。そして、最初からだが、昔の記憶と小芝の仕草や言葉がオーバーラップしていく。この段々気になりだし、少しづつ、小芝に優しく接する感じの微妙な変化を演じる中島はなかなか秀逸だ。
車の運転で失敗したり、グリーンピースが食べられない、見た目に格好悪い演技をなんなくこなす。この辺りは、昔の子供の頃の中島がそのままだという設定なのだろうが、そのアンバランスな感じがなかなかうまく描けているのだ。しかし、あのデブ体質の子供は、どうやって中島健人になるのか?その辺りを描いていただきたいのだが、それは出てこないのか?
今回は、中島が佐久間と付き合っているところを赤楚が見てしまう。中島と小芝が幼馴染なことを知っている赤楚は、二人の出張に嫉妬したりしている。基本的な4角関係が成立し、来週からこの辺りの成り行きが見どころであり、いつどんなところで、中島が本当のことを知るかというところなのだろう。
話の流れを作る、雑誌の立て直しの部分については、少し弱い。デジタル時代に手紙を見直そうという企画はわかるが、それが雑誌の立て直しになるとは思えず、いや、長く続く先の導線にはならないということだ。編集部の企画をことごとく却下した彼が納得するものではないだろう。あくまでも、ここの話は小芝との接近を演出するための話になっている。
4角関係がこのドラマの主軸なのはわかるが、こういう現代のビジネスライクな話は、もう少し視聴者が納得するように書き込んでいただきたい。そう、多角的な視点を見せてくれるドラマが最近は少ないのだ。逆に言えば、いろんな要素をシンプルにわかりやすく見せてくれるドラマは面白いということだ。
元ネタのドラマをどのくらい脚色しているのか知らないが、話の軸はラブコメであっても、日本的な興味ある要素をしっかり描き切ればまた違うドラマになったりもするのだろうから、その辺りは頑張っていただきたい。
次週の予告を見ると、四人が近づいた中で、また色々と騒がしい感じだが、ここからドラマが本格化する感じではある。
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