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「弁護士ソドム(第5話)」父が残してくれたものから突き詰めた牧師は死んでいたという迷宮

世界卓球で一週間休み。そういうことがあるともう見なくなるドラマがあるが、このドラマに関してはまだまだ楽しめそうな感じだ。主人公の福士蒼汰が突き詰めようとしてるものがはっきりしてるし、そこに集まり取り巻きのキャラも面白く、何よりも詐欺師の生態みたいなものをうまく描いてあると思う。そして、詐欺師に裁判で勝つということが意外に難しいこともよくわかったりする。そういう現実もあり、詐欺師はこの世から減らないのでしょうね。法律を厳しくしてなくなるものでもないという事情があるのだろう。

今回は、福士の詐欺師弁護のスキャンダルが週刊誌にリークされアウェイになった状況からドラマは始まる。リークしたのは新聞記者の古川雄輝だが、新聞社では扱いずらく週刊誌に流したということ。そういう意味では彼の描き方は少しヘタレである。それは玄里を福士から奪おうとする男の下心をそこに見せたいからだろう。

そして、その記事を見てやってきたのが美容カリスマでボロ儲けしている真飛聖。彼女は福士の父と関係があったらしく、父の大事なものを引き換えに、美容の詐欺で訴えられてるものを弁護してくれと言ってくる。そう言われて仕方なく引き受け、勝訴に持ち込むが、肝心のブツを渡さず現金対応。

その上、福士が暴漢に襲われ、それを助けようとした玄里が倒れる。ここで、福士と玄里の会話がドラマ的にはすごく重要。福士は玄里の弁護士姿が母に似ているという。そして、玄里は福士のパートナーを外される。この部分での玄里の役者としての存在感はなかなかだった。後半で彼女がどのような演技を見せてくるか、楽しみなところ。

そして、真飛への復讐編。今回の山下美月は、美容医師のアシスタント。特に変装していないので、かなりいかがわしいが、真飛にモニターをさせて美容クリームの販売権を一億円で売り込むというもの。眠っている間にクリームでない処方で肌を蘇らせ、クリームを売り込む。お見事というか、美容業界などというものはこんなものだろうと私も思う。そして、美女が説得力を持って売るからタダ同然のものが高く売れる世界だ。そして、それにより真飛がさらに活動を活発化するところで、彼女の顔が整形であることを暴露。一気に会社を倒産まで追い込む。いつもの通り、1億円は被害者のもとにという流れ。この辺りは見ていて心地よい。

そして、彼女は福士の父と幼馴染だったことがわかり、彼女は前回の話の中にあったUSBを持っていた。逃げていた父がクラブに勤めていた彼女に預けていたのだった。そして、その中身のデータには牧師と呼ばれる詐欺師の名前があった。そして、簡単に彼のいどころがわかるのはおかしいなと思ったら、彼が死んでいたという流れ。

そんな頃、玄里はある企業の顧問弁護士を任されることに。その社長は竹中直人。流れからして、彼が牧師ということがわかるような構成。とにかくも、ここからラストに向けてのドラマのギアチェンジというところだろう。

ここまで5回、必殺的な詐欺師退治シーンを入れながら、福士の過去の真実を暴こうとする流れが、徐々に本質に近づいていく感じはなかなかよくできていた。そして、玄里の存在が、徐々に福士のバディになりつつある感じが興味深い。今期のドラマの中でエンタメとしての面白さはかなり高いところにある。テレ東のドラマの質は本当に侮れなくなってきている。


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