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「ファーストペンギン(第8話)」ホワイトナイトがやってくる中、堤真一が孤立する変な構図

ラストに鈴木伸之が戻ってきて、新たな展開が開くことになる感じで終わった。鈴木はこのドラマでいつもより活躍してはいないが、節目節目で彼が事の展開を誘うような役になっている。そして、いつものできる雰囲気の男から、なかなか好感度抜群の役。彼にはこういう二枚目役の方があっていると思う。

そんなことより、前回、漁船が事故にあって、堤の元から皆が逃げていってしまってどうなるか?という話。皆、政治家の泉谷しげるが仕掛けた話だが、それに引きづられて、梅沢富美男は再度、貸しはがしにかかる。会社は絶体絶命!そんな中、漁師を雇おうと、堤と新人1人は、奈緒と東京の講演会についていく。ここでの堤の挙動不審が面白かった。堤の俳優としての強みは、こういうコメディアンヌがちゃんとできるところにある。松本若菜を怖がったり、東京駅の自動改札で取り残されたりと、こういう芝居をしっくりできるところは、今のこの辺りの年齢の俳優の中ではピカイチであろう。期待を裏切らない!

そして、奈緒の講演はなかなか分かりやすかった。ここでのネタは先週勉強して仕込んだものだが、奈緒がファーストペンギンでやったことはこういうことだという事のおさらいとしてはシンプルにまとまっていた。しかし、ジャンヌダルクが火炙りにされるから、ファーストペンギンの肩書きにしたというオチだったのね。その後で「ファーストペンギンは食べられちゃいますよ」というセリフがだめ押しする感じはまた面白い。ドラマでは、確かに何度も食われそうになっているものね。

そして、堤が東京に残されて彷徨っているうちに、ほぼほぼ、漁船の事故を引き起こした犯人はわかり、先週とは逆に堤を皆が待つという構図になる。こういう立場が全く逆になるという状況は面白い。そして、東京の渡辺大知のパートナーも出てきたりして、新しい展開。

そう、新しい展開は、金策に東京いた奈緒のひらめきで起こる。人生そんなものである。水産フェアで出会った元役人の小西遼生が動いてくれることになり、漁協に全ての借金を返すという荒技ができたわけだ。そんな頼れる男が迎えられるところに帰ってくる、堤真一。またも自分の居場所がなくなったと感じ逃げて今回は終わり。ドラマの構成の中でのドタバタのうまさはなかなかである。このドラマ、本質はビジネスドラマなわけだが、エンタメ要素をうまく突っ込んで、ここまで本当にうまく盛り上げている。そして、奈緒という傍にまわっていた逸材をうまく使うことによって、華麗なドラマが仕上がったと言っていいだろう。もはや、ここから最終章で、このビジネスがどう膨らんで今に至るか?というところになる。年末に元気の出るドラマ、最後まで期待できます!

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