「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~(第9話)」 取引現場の生中継と言われてもう一つ盛り上がらないクリスマスイブ
もう9回目。次回が最終回ではないようだ。今回は、16時43分~17時48分のお話。夜になったとさ。なんか間延びのままにクライマックスに進んでいる。そして、あまり話が面白くなっていかない。二宮が警察であって、潜入捜査官だったという話は、まあこういうドラマ的にはあまり驚きはなかったが、最後にその二宮の警察のデータを消している中村アンは何がしたいのかもう一つわからない。
そう、今回は中谷美紀がこの事件について時系列に解説してくれて少し流れが頭の中でまとまってきたが、だから私たちはどこにフォーカスを当てて、どこを楽しめばいいかというところがもう一つわかりかねる。というか、どこが脚本家が書きたいと思って書いたところなのか?という話だ。
二宮が恋人の桜井ユキと音信を経って潜入捜査官としてアネモネの一員になり、中川大志は彼に傾倒した。二宮も中川に思いがあるわけだろう。そんな中で記憶を失う前に二宮はこの取引をどうしようとしたのか?そして、今記憶が戻った中でどうしたいのか?その辺りがサスペンスとして一番重要なところなのだろうが、その大切なところを、テレビ局の話とレストランの話がうまく邪魔する感じになっている。
確かに二宮が中谷にテレビ中継させようとしているのは確かなのだが、それで二宮がどうしたいのかはよくわからない。彼自身、自分が警官なのを思い出したなら、江口洋介以外の警察の人間とコンタクトを取ってもいいと思うのだが、そういうのはないようで、周辺をうろつく、同じ中村アンの素性もわかりにくい。そう、この辺りで点が線としてつながってはきてるのだが、そういう関係性がよく見えないために、ドキドキしないのだ。
テレビ局の歌番組の中に、その実況中継を放り込むのはいいが、その歌番組をしっかりドラマ内で見せていないので、その緊張感も出てこない。そして、こんなに警察無視でテレビ局がスクープ狙いで動いていいものなのだろうか?麻薬取引なら、確かに拳銃も持ちながらであろう。そんなところに丸腰のテレビマンを行かせる二宮は何を考えているのか?
シナリオは確かにその取引現場に視聴者のフォーカスを向けようとしているわけだが、そうするとレストランのディナー話が重なってこない気はする。もはや、視聴者が、ここがこうなるのだろうなどと議論するようなことになり辛いくらい混沌としていて、面白みに欠けるドラマなのだ。
今週も、佐藤浩市は犬には会えず、代わりにレストランのギャルソンの恋人と話すという、よくわからない位置にいた。彼の犬が取引現場にいて、テレビに映って見つかるみたいな感じはするが、だからどうしたというところですよね。このダラダラをまだ2回見ることになるようだが、それなりにはサプライズが欲しいですよね。