「波よ聞いてくれ」小芝風花のテンションMAXな感じに圧倒される初回
沙村広明原作のコミックのドラマ化。これ、アニメにもなっていて、以前、1話だけ見た記憶があったので、ドラマを見終わった後に、もう一度そのアニメの初回を見た。なぜ、私がその続きを見なかったがわかった。圧倒的に今回のドラマの方がインパクトがあり、勢いもある。主役の小芝風花、あっぱれの1時間だった。多分、彼女の女優人生で大きな転機になる作品になる予感がする。そして、アニメより実写の方が面白くできるということも証明して欲しい気がするのだ!
話は札幌が舞台なのだが、ドラマで札幌ロケはしていないようだ。スープカレー以外、札幌でなくてもいい話だ。でも、彼女がラジオパーソナリティーをやるきっかけになるのが福岡の男との失恋話というのは、札幌という土地があってインパクトが出るのだろうなとは思った。
そう、その失恋話を勝手に録音されてラジオで流され、そのまま、生で自分が言いたいことを波を通じて話すことになる小芝。とにかく、その勢いと、滑舌のしっかりした感じにただ圧倒される初回。そう、なぜに彼女がラジオにスカウトされたかが、そこでわかるのだが、そのシーンをこれほど有機化できるとは、スタッフも思っていなかったのではないだろうか?とにかく、まだ見ていない方、ぜひ見ていただきたい。初回のこの流れ見るだけで小芝風花のファンになってしまう人は多いと思います。
大体、どちらかといえばコメディアンヌセンスは多分にあったのは知っていたが、ここまで弾ける役ができるとは、とにかく驚く。そして、主役としてもただならぬ量のセリフを覚えているわけで、圧巻という言葉が正しいと思う。
そして、最初に酔っ払って上半身ブラ一枚で寝ているところとか、結構エロさも見せられる。この色気という部分、この役では結構大事なところだと思う。別れた彼氏と再会し、彼の嘘を見抜いていくところで、彼の顔を両足で挟むようなところも、なかなかであった。ここ、男としては夢を見そうなところ。そして、男を投げ飛ばすところも決まってるしね。さすが、元アスリートといったところ。
それよりも、以前に「彼女はキレイだった」の項でも書いたが、彼女は表情をアニメのように変えられるところが魅力なのだ。それを金髪で、濃い化粧の中でやってくれるから、とっても濃い演技に見えてくる。これは、彼女を前へ前へ押し出す要因になっている。
そして、彼女をスカウトした、北村一輝、作家の小市慢太郎、人気パーソナリティー役の平野綾なども、なかなか印象的な演技。多分、このドラマ化ける気がする。
大体、ラジオの仕事をテレビドラマとして表現するのはかなり難しいことなのだが、それが初回ではうまくできていた。そして、何よりもこの小芝の冠番組を聞きたいと思うような作りになっているところが良い。
ネットというものがエンタメの世界を変えていく中、ラジオは今、結構な苦境に立たされていると思う。それは、昔のような個性的なパーソナリティーがいないからだ。ドラマの中で小芝が「ラジオ芸人になる気はない」というが、まさに、ラジオ芸人止まりのものが多く存在するのが現在のラジオ。それが、テレビはもっと多い気はするが、まだラジオに比べたらスイッチを押してもらえるのがテレビだったりもする。
小芝風花とともに、ラジオが注目され、新しい波が生まれるなら、とても歓迎なドラマだろう!期待大!