「Re：リベンジ－欲望の果てに－（第11話）」人の復讐心と権力欲を題材にして、その愚かさを伝えて終わるのかと思ったら・・。

最後に錦戸亮が理事長の椅子に座る。まあ、どうでもいいが、後味はあまり良くない。権力が欲しいのはわかるが、あまりこの男、格好よくここに着いた感じはない。ドラマ全体として、何が描きたかったと言えば、病院の長として上に立ち、それを持続することの虚しさということなのかと思った末のこのシーンだ。やはり金と権力が欲しいのか？

それに対して、赤楚衛二は、病院のことなど何も知らなかった週刊誌記者が人生勉強になったというところはあるだろうが、彼が見上愛の原稿を世に出して禊をする感じに終わっても、そのあとはまた元の週刊誌の張り込み。彼は人生でどこに飛びたいのかよくわからないのは気持ち悪いし、主役として何が言いたいのかもよくわからなかった。

まあ、前回の最後からの芳根京子の妹の手術の医療過誤が暴かれるシーンは、訴える方の登場人物が結託して、会長である笹野高史をはめたというストーリー。そんな簡単に一緒になって芝居が打てるものか？赤楚が錦戸に擦り寄る感じも気持ち悪い。

確かに、最も悪いのは、自分も医療過誤をして、人に押し付けたことのある笹野高史なわけだが・・。その笹野、今回は、あの汚く食事をするシーンは出てこなかった。残念である。そう、秘書に人殺しをやらせた話が出てきたから、汚く女の肌を食すシーンでも入れておけば良かったのに。そう、このドラマはそういう醜いドラマである。だいたい、どうして女秘書が笹野の言いなりになって殺しをする。身体はともかく、金はいっぱいもらってたんだろうね。だから、その殺しのシーンに繋げるなら、そういう気持ち悪いシーンも必要なのでは？

そう、見上愛が死んだ後で、そのことをドラマ的には放っておいてるんですよね。その辺も下手。そして、笹野のどうしようもない妖怪みたいなところは描いていたが、その反面臆病であろうところは全然描けていなかった。

しかし、こんな病院あるのかね？錦戸みたいな感情的で復讐心の強い医者が理事長の病院ができるなら、それは笹野が会長の病院と変わりないよね。本当に後味の悪いドラマである。

そして、最後に赤楚と芳根京子が仲直りしたように話しているのも不自然である。女は、こういう男を嫌いになったら話もしたくないのではないか？妹の墓にもきてくれみたいなことを言っているが、それもまた不自然。そして、芳根としても、あまり女優としてありがたい役でなかったのではないか？そう、ラウンジのキャスト姿もあったが、色々全てが中途半端な世界の中に放り込まれて失敗した感じだった。

確かに白い巨塔では今もこんな諍いがあるのかもしれないが、そういうの描いても、あまり社会的な影響はないですよね。とっても見ていて疲れた作品でした。