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「コントが始まる(第3話)」たまらなく、若者たちの痛みをついてくる刹那さ
3話に至って、主人公4人のそれぞれの青春のリアルな痛みみたいなものを描くことになる。こういう話は今も昔も同じであり、芸人を辞めるという話と同時に、そこには「これからどうしよう」という青春の挫折があるということだ。そのあたりは、見ていて、誰もが自分を重ねていたりするのではないだろうか?予想以上に熱い脚本だ。
まず、この回の中心にある、コント「奇跡の水」のヒントになった、菅田将暉の兄、毎熊克哉が引きこもりになった経緯。まあ、自分の手の届かなかったヒーロー的な兄が、社会で失敗して、引きこもりになっているというのは辛い話である。そして、自分のことを応援してくれた兄なら尚更だろう。しかし、結婚式にマクベスが出てシラけたという話だが、結婚式といううわついた席なら、お客さまたちはもう少し笑うだろうと思うのだが、…。神木の女装はなかなか見られるということはわかった。
この兄との関係は、この回に最後に、ちゃんとケリが着いてよかったという感じだろう。あくまでも、こういうの浪花節的な日本のドラマ的シーンですけどもね。
そして、今回、最も「すごい」と思ったのは、有村架純が自分の過去の心情を吐露するシーンだ。涙する有村をアップにするところの有村の震え方のリアルさに驚いた。カメラの寄りに耐える、なかなか凄い女優さんだなと思ったりさせるのは、この脚本がなせる技だろうか?自分が仕事を任されて、いつの間にか自分の責任みたいになってしまい辛くなることって、仕事ができる人ほど経験することだ。そして、日本の組織のダメなところでもある。この有村に共感した人は予想以上に多いのではないだろうか?私も過去を思い出した。
そして、その姉に対峙している、古川琴音もなかなか素敵な芝居をする人だ。「エール」「この恋あたためますか」と続けて見ていて、確実に女優としてのテンションが上がってきているように感じる。まだまだ底が見えない感じも楽しみなところです。
もう一つ、仲野大賀の跡取り問題も出てきた。弟が結婚して実家の酒屋を継ぐことになって、芸人を簡単にやめられない状況になるという岐路。まあ、失敗したら、これがある的な話はうまくいかないことが多い。好きでないから優先できていないということでもあったりする。この話は、来週に続く感じである。ずーっと、重い話が続いてきたので、最後に出てくる恋人の芳根京子が妙に明るく素敵に見えていた今回だ。そして、相談に乗る恩師役の鈴木浩介、なかなかいい味を出している。このドラマは脚本が良いのもあるが、キャスティングが分かりやすく、的確なのがいいですね。とにかく、来週の焼き鳥屋での話が楽しみ。
次は、今回描かれなかった、神木隆之介の周辺が描かれるみたいなので、それも楽しみだ。出てくるコントは、あまり面白くないのが心配だが、ドラマの展開だけで、十分に見せてくれているのはいいことだと思う。