「彼女たちの犯罪(第9話)」全ての企みは崩れて、どこに流れていくのか?
それにしても、そういう人がいるとしても、前田敦子の役が無戸籍の女だったという設定は、なかなか旋律を覚えた。そして、学校に一度も行っていないという設定も少し無理がある。そして、南沢奈央と18の時に知り合い、彼女が通っていた看護学校に通い、金を払って南沢の戸籍を使ってそのまま南沢として看護師になったということらしい。だいたい、義務教育も受けずに、代わりの学習も受けてないし、看護師になることができるのかという問題。そして、そういう女が医師に目をつけられ結婚できるかという問題があるわけで、話的にかなりの無理がある。医師の家が嫁をもらうならそれなりの調査もするでしょうしね。その前に、南沢の学生証で学校に出入りできたのも無理がありますよね。同級生が疑わないほど、前田と南沢は似ていない。いっそ、前田に二役をやらせた方が良かったのではないか?あまりに突飛な種明かしに、開いた口が塞がらなかった。
そんな中、警察の野間口は、前田が戸籍売買をしていたことをつかみ、部下の石井が事件に絡んでることを知り、慎重に動き出す。その石井は、以前から調子が悪そうだったが、末期癌だという。何故に残り少ない命を使って、学生の時の復讐をしようとしたのか?子供の認知を求めてるわけでもないしね。このあたりもわかりにくいし、今にも死にそうな彼女を見ていると、そんな復讐したって意味ないだろうと思ったりする。
今回のラスト、石井が前田といる場に野間口がくる。そして、前田は逃走を図るわけだが、もはや、なんのために逃げるのかもわからない状況。そして、ここにはいない深川麻衣は、南沢を殺したきっかけを作ってしまったこともあり、一番、罪的には重そうな感じにも見える。
この話、よじれた状況で、そのまま、席替えゲームを決行しようとしたことに無理があるが、前田の生きてきた道を見ると、なんでもありの生き方なわけで納得がいくとも言える。深川も自分が楽するために医師と結婚したかった。一番、わからないのは刑事である石井杏奈。一人の男の周辺でこれだけの女がいろんなことを考えるというのは、男としては羨ましい部分もあるが、なんか、除霊してもらった方がいい気もしますよね。そんな役に毎熊が似合ってる感じも、彼にとってはいいのか悪いのか?
とにかく、今夜このドラマは最終回。私なら、最後に捕まった彼女たちの証言をそれぞれに示して、この事件の本質みたいなものを抉りながら、現代のホラー的な感じでまとめますが、どうなるでしょうかね?楽しみではあります。