「彼女はキレイだった(第10話)」心地よい、エピローグ的な最終回
先週のラストが、クライマックスだったのだろう。本多力が副社長に就任し、MOSTが追っていた作家の正体が赤楚衛二だったということで、その記事を記載した最新号は、見事にライバル誌のシェアを上回った。そして、全てがうまくいって、4人の主人公は、それぞれの旅立ちをする事になる。ということで、最終回は、エピローグ的な展開。その中で、プロポーズが行われ、その先の展開まで見せる。すごく綺麗なラストだと思った。
まずは、MOSTの存続のキーを持っていた赤楚。この辺り、もう少し、謎めいたところを前に伏線として見せておくことはできなかったのか?彼が最初から小芝を好きだったという事象しか見せていなかったのは、少し残念なところ。赤楚自体の芝居も爽やかで良かったので、もう少し、恋敵的な部分を膨らせても良かったのではないか?色々、彼周辺の描き方には文句もあるが、赤楚衛二自体は、役者として今後どんどん伸びていきそうな感じがあるので楽しみだ。
小芝がMOSTから総務部に予定通りに戻ってしまう展開は、少しさらりとしすぎている。彼女がMOSTを生き返らせたと言っても過言ではないわけで、そういう意味ではどうかな?という感じではあったが、それは、後に続く「絵本作家」への道が用意されているということに強くフォーカスを当てるためでもあるのだろう。そう、この回のためだけに用意された、新しい絵本作りの職場はなかなか豪華だった。MOSTの編集部の現場もそうだが、こういうふうにクリエイターが働く場が美しくあるドラマが私は好きだ。そこにワクワクが詰まっている職場には活気がある。実際のリアルな職場もこうであれば、職場に来るのも苦痛でないし、その上でテレワークをうまく使えば、自由な職場ができるはずである。そういう意味で、ただ、デスクとPCが並んで色のない職場は今後生き残れないだろうとさえ思ったりもした。
そして、今回のメインイベントは、小芝と中島のプロポーズシーンだろう。まずは、小芝の実家シーン。いらないシーンのようにも見えるが、中島がタイムスリップできる環境ということでは、必要なのかもしれない。ここで、完全に二人は元に戻ったということなのだろう。そして、中島が海外に戻る話。そして、小芝も絵本作家を諦めきれない。でも、二人はもう離れないという誓いをする。ここで、小芝からサイを投げるのは、このドラマの主役はあくまでも小芝だからである。そして、中島からも洒落た返事。しかし、この二人からはなかなか想像できない、最後の濃いキスシーン。小芝風花は女であることをここで主張していた。
そして、5年後、子供ができている二人。幸せモードで終わる感じは心地よい。基本、韓流ドラマのコピーなのだろうが、そのテンポを崩さずにリメイクした感じは、勢いを感じた。それは、主役の小芝風花の芝居のおかげだろう。まだまだ、この人、女優として面白くなっていくと思うのは私だけではないはずだ。