「ブラックペアン シーズン2(第2話)」公開手術とは、大味すぎる演出がドラマをダメにしないのか?
とにかくも日本に来た二宮和也、まずは手術室に勝手に入ってきて、他の医師の技量を確かめるという行為に出る。まあ、自分の助手が必要だから、下手くそな医師を把握しておこうということだろうが、まあ、失礼なやつだ。日本の社会ではこういう失礼なやつが一番嫌われると思うのだが、昨今の政界の上の方にいる人を見ると、ほぼ全員失礼な人なわけで、国民から選挙で選ばれてるのに感謝の気持ちが一つもないわけで、そういう時代なのかもしれない。
とはいえ、失礼ながらも、ここの二宮は技量は優れているわけだし、他の医師にはそこに近づけないというのは事実なわけである。そういう意味では威張ってもいいのだが、あまり格好良くないのがドラマとして惹きつけられないところだ。
今回のクライアントは洋菓子店の主人。賭けの対象は、その孫が、祖母のアップルパイの味をちゃんと再現できるかというもの。そこで、それが昔ながらの味か判断するのは、そこのアップルパイのファンだった趣里。これから結構重要な役なのだろうが、朝ドラヒロインからの初ドラマ出演としては地味な気がする。まあ、趣里自身が主役に拘ってるというわけでもあるまい。朝ドラで確実に演技の手応えを感じてここにいるはず。期待しないはずはない。
そして、今回のメインイベントは、その手術をホールの舞台に手術室を作り公開するというもの。手術を見せものに発展させる必要はないと思うが、ある意味、白い巨塔の席取りゲームには、こういう試行が似合うのかもしれない。そして、この試行を馬鹿にするために呼ばれた医師、新納慎也。こういう役回りには、格好悪い彼のキザ演技がぴったりではある。しかし、二宮が彼への対応もちゃんとできていたのには驚く。そして、自分で肝心な部分の手術を終えて、その後に部下がヘマをするのがわかっていたような振る舞い。ある意味、こういうのは、あまり受けないし、感動はしない。「ドクターX」は手術以外は可愛いというのがウケるわけだが、二宮のは、ただブラックなだけでドラマが構築される。やはり、何度見ても気持ち良くはない。
見方を変えれば、白い巨塔の勢力争いなど、腕もないのにやってるのではないという、ブラックコメディに見ればいいのだろうが、二宮はコメディセンスがそれほどあるわけでもないので、もう一つインパクトに欠ける気がするのは私だけではないだろう。
まあ、ここから、他の病院も併せて、彼が掻き回していくストーリーだろうが、ドラマ的にもう少し爽快感見たいのは欲しいよね。