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「院内警察(第7話)」でんでんの死で、若い患者が死というものに向き合う刹那さ

前回、探し物をしていて、瀬戸康史が外科の副部長になることをアシストする形になった少女(梨里花)は、HLHSという病気で入院することになる。それを見て、多分、同じ病気で亡くなったと思われる妹を思い出す。

彼は、当たり前だが、妹の病気を治したかった。だが、その手術の際に、前回、業者からの賄賂を受け取っていたことをバラされた神尾佑のせいで手術を遅らされた過去があった。確かにそういうことがあれば、今、神尾と同じ病院にいる以上、恨みをいつ晴らそうかと思っていたのは当然で、それが外科副部長の席ももたらすということになる。

そんな病院が変わりつつある中で、入院していたでんでんが退院すると院内交番にやってくる。そして、家の相続のことがあるから、妻に会いに行ってくれという。それは、院内交番の仕事とは思えないが、桐谷健太は了解して会いにいく。で、そうは言っても、なかなかそれを了承しない妻。

で、でんでんは、実はもう余命わずかだったので、明るく振る舞いながら、退院だとか、みんなに言いふらしていたのだ。そして、梨里花とも仲良くして、ゲームをしたりする。この元気な姿を見せておいて、即、彼が死に至ったというシーンに繋げるのは、刹那くもあるが、それが病院という場所だということを強烈に知らしめる。

そして、梨里花は、でんでんのなくなる姿に出会ってしまい、彼の死ぬまでにやりたいことリストも見てしまう。そして、「なんで・・?」という落ち込みから、自分の「死にたくない」という気持ちも強くなっていくシーンも、なかなか緊迫感があってよかった。その彼女に対峙する瀬戸は、彼女と妹をシンクロさせながら何を思うのか?「俺が治す」とはいうが、・・・。

そんな話とすれ違うように、でんでんの妻がやっと病院にやってくる。その前の日に彼が妻に電話をしているシーンがある。ある意味、声が聞けたということは幸せだったのかもしれない。そして、間の悪さを感じながら、病院にきた妻は、「死ぬまでにやりたいことリスト」の妻と子供に会うという項目にチェックし、桐谷にお礼を言って帰っていく。ここもまた刹那いシーンである。

今回は、治験での闇の話は申し訳程度にしか出てこなかったが、病院というところでは、病気を治す中で、そういう治験の失敗的なことも確かにあるだろう。だが、人の死は、自己のエゴのために軽々しく扱うものではないみたいなテーマが今回のドラマの中に見えていたのは、印象深かった。

しかし、でんでんさんの演技、やはり強烈ですよね。

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