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「PICU 小児集中治療室 (第10話)」奇跡が起こせる時にまた災いが・・・。

函館の病院に戻った心臓移植が必要な少年に奇跡が起ころうとしていて、そこでドクタージェット登場。もはや、これで少年の命が救えそうだというところで、地震が起こるとは・・・。日本は、そういう国である。こういうドラマを書ける方は、人の命があることが、本当に奇跡であることをわかっているのだろうと私は思う。医療ドラマは、その観点を強く打ち出しているものが私は好きである。

今回は、先週の吉沢亮の退職願の件から始まった。人生で何回かは、誰でもパラレルにメンタルをやられることがある。それは、神様の啓示といえばそうなのだろうが、思わぬ人に救われたりもする。それが今回は、稚内の医師のイッセー尾形だったということだ。彼が初回に出てきた時に、この回だけではもったいないと思ったが、こんなところで登場するとは・・・。彼の無理くりな手伝いが吉沢にはリハビリになったのだろう。そして、北海道の自然は、自分の小ささを思い知らせ、再生への道を開くということも言えるのかもしれない。そして、吉沢にはよき「倶」がいる。そして彼の優しい心は、PICUに、一人の患者に対して多くの医師を集めるという奇跡も起こした。そう、彼はここにいなければいない人・・。だからこそのプレッシャーを乗り越える時、さらに強靭な意志が働く。そんな、心模様、風景をうまくドラマにまとめていると思う。そう、ここに登場する医師たちはみな力強い。

安田顕との、寿司屋のシーンもなかなか良かった。吉沢の目標としての安田という話と、安田自身が北海道の優しさに触れて感動している姿がさらりと語られ、自分の心も吉沢と共に解放された感じが出ていた。さまざまな役を演じてきている安田だが、このドラマでまた新境地を開いている感じがする。優しく落ち着いた安田顕もまたこれから増えていくのかもしれない。

そして、戻った病院に、函館から少年の感染症が治りかけ、人工心臓を埋め込める状況になったことが連絡される。さまざまな奇跡が起こっていく。そう、医学で解決できない患者の生きる力が奇跡を起こしてるのだ。そこに吉沢の思いや、患者に対する対応も、その奇跡の一因だとする、ドラマの進め方は、見ていて心地よい。

しかし、そんなところで、地震を起こすとは?前から書いていたが、このドラマを書いている脚本家は、そんなに簡単に患者を救わない。それにより、視聴者に痛さや辛さがシンクロしてくる。こういう形の医療ドラマはなかなか新しく、医療の大変さ、そこにある奇跡的な事象を、見ている我々が体現できる感じなのは素晴らしい。

次週が最終回である。PICUの未来的な展望をどのように提示して終わるのかはすごく楽しみである。そして、早いが、このドラマ、続編も見てみたい。強くなった吉沢の姿を・・・。

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