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「クジャクのダンス、誰が見た?」"私は私の目を信じてますから"と言う広瀬すずの向こうにカオスが広がっている濃密さ

子供の頃、クジャクが羽を広げている写真や絵を見ると「綺麗だな」と言う印象を強く受けた。動物園でそれを見たことはあるが、実際、羽を広げてダンスを踊ってるところを私は見たことがあるか記憶にない。ただ、孔雀はある意味、鳥の王様だと今も認識してるところはあるかもしれない。

私のそんな印象の含め、クジャクと言う鳥は、「誰もが知ってる綺麗な鳥」と認識していいのだろう。そんなクジャクの名前が入っているタイトルの浅見理都のコミックが原作。脚本は金沢知樹。そして、久々の連ドラ主役は広瀬すず。彼女、出会うごとに雰囲気が大人になっていって、そして良い役者になっている。それだけで心地よい。今26歳。まだまだ化けることができる年齢。私の彼女に対する好奇心はやまない。

そして、金曜ドラマということもあろうが、松山ケンイチ、磯村勇斗、成田凌、森崎ウィンといい男たちを従えて、彼女自身、どんなダンスを踊ってくれるのか楽しみな初回であった。

まずは、屋台のラーメン屋、スカイツリーが見える。つまり舞台は下町。そのシーンが広瀬すずとその父親で警察官のリリー・フランキー、最後の晩餐になるという話。このラーメン屋の主人、久々に見た酒井敏也、すごく歳とった感じに見えたが、彼がリリーの遺言みたいな封筒を広瀬に届ける役になる。まあ、ラーメンはうまそうだった。

で、リリーがそのクリスマスイブの夜、自宅で火災で死に、その放火犯人ということで成田凌が捕まる。で、途方にくれる広瀬の元に上記の封筒が渡される。中には300万円の現金と、父からの手紙。そこには、捕まった成田は冤罪だということ、そして、この300万円で弁護士を雇って成田を助けろと記され、そして弁護士も松山ケンイチが指定されているという、死者からの手紙。

で、松山のところに行くと、リリーのことは知らないという。そして、その弁護にも積極的ではないが、気になり成田に接見しにいく。そして、彼が広瀬と同じようにクジャクの話をしたことが気になり弁護を受ける流れに。しかし、わからないことが多く、成田が、リリーが追いかけていた過去の事件で逮捕された酒向芳の息子であるということくらいしかフォーカスを当てるところがない。親子にわたる冤罪話しということなのだろうか?で、酒向は「海に眠るダイヤモンド」に続き、結構なドラマのキーになる役。彼の回想シーンが今から楽しみだったりもする。

ある意味、松山が何も知らないところからこの事件を追うことで、視聴者はその視線についていけばいいようだ。そして、広瀬の周りの動きもそこについていけばいい。初回から、記者の磯村勇斗という外乱が入るが、そこに対峙するも、松山がいることで話はリニアに進むのは見ている方としてはありがたい。で、この初回のラストで磯村は「広瀬がリリーの本当の息子ではない」というようなことを言う。事件の構図をまとめていく中で、最初から知らない事象が出てくると言うのは、サスペンスとしてとても良い始まりではある。冒頭に、広瀬とリリーが仲良かったのは印象付けてある中でのこれは強いパワーがある。そう、この話、結構、その構造が複雑なのだが、見事に視聴者をそのカオスの中にこのことで引きずっていく感じは、脚本のうまさを感じた。

そして、広瀬すず、初回からとても印象的ないい演技。心の中のまとまらない感じをうまく演じていた。松山の事務所でコーヒーをかぶったプリンを食べるシーンがある。もう一つ意味合いがわかりにくいシーンなのだが、そのシーンをとても有効に見せる演技は彼女がとても優れた女優だ身体と思う。とにかくも、先が見えないお話で彼女が主演ということがとても重要な要素になっていることは大事なところだ。


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