「ちむどんどん」沖縄の復帰50年を描くということは、どういうことか?
連続テレビ小説106作目。もう、100作目の「なつぞら」から3年経つわけだ。本当に月日が過ぎるのは早く。その3年のうち2年はパンデミックの中にあり、そういう点でも早かったのかもしれない。そして、105作目「カムカムエヴリバディ」は、藤本有紀氏とBKスタッフの渾身の一作という感じで、久々に朝ドラの世界を堪能した感じ。
その後に続く作品はなかなか厳しい気もしたが、沖縄の自然の風景に心洗われ、今日の3回目まで、楽しませていただいてる。初動がなかなか良いということだ。脚本、羽原大介氏は、「マッサン」以来、二度目の登板、そういう意味では、15分刻みのドラマ作りは、どういうものか、理解はしているのだろう。そういう意味でも、安心して見ていられる感じ。
巷で囁かれているように、子役たちがとても良い。多分、そんなに長くなく、ヒロイン黒島結菜に引き継がれるのだろうが、その子供時代を演じる稲垣来泉が、とにかく良い。食べることがなにより好きというヒロインを彼女が印象付け、黒島にバトンタッチということなのだろうが、ドラマの勢いは確実についている感じ。
始まりは1964年、東京オリンピックの年、というと主人公は私よりは少し上ということか?今、65歳くらいな感じ。70年に16歳でデビューした南沙織よりは少し下という感じだろう。多分、そのくらいの年月の沖縄とそこに生まれた人たちを描くというところだろう。この始まり、まだ、復帰までは8年ある。だから、ドルが使われ、車が右側通行だという説明はあったが、山中にはアメリカ兵もいないし、飛行機の爆音もしない。この辺はいいのだろうか?日本の領土がアメリカに占領されていたという現実をもっと描いてもいい気がしたが、まだ、このドラマ自体が、この沖縄復帰50年にあたり何を描こうとしているのか、わからないということもあり、その辺りは後の考察になるだろう。
そして、やまとんちゅうの親子がやってくる。この当時、彼らは日本のパスポートを持ってきているわけだが、その辺も出てくるのだろうか?主人公は、その少年に、「東京のお菓子」はどんなのか?と尋ねる。それは、復帰前の人たちの本土への憧れみたいなものだったのだろうが?本当はどうだったのだろうか?まだ、この家にはテレビがない。でも、漫画雑誌はあるみたいだから、そういうところからの情報での憧れ?とはいえ、主人公は戦争を知らない世代だ。そこから、沖縄の戦時中のこと、負けたことをどう描いていくかも興味がある。3回の中で、東京から来た戸次重幸が、沖縄で戦えなかったことを悔いたり、仲間由紀恵が、那覇の空襲のことを語ったりしている。多分、これからもこの辺のことは少しづつ語られていくのだろう。その辺の配分はなかなか難しい。
そして、黒島結菜に引き継がれる時には、沖縄復帰のことが描かれるはず。そこのところも注目である。そして、舞台が、鶴見、東京と移るようだが、その中で、沖縄のアイデンティテー的なものを主人公にどう持たせるかも大事なところなのだろう。
そして、沖縄出身の黒島結菜の女優としての更なる飛躍も期待できる。私はテレビドラマ「ごめんね青春」の時から彼女を追いかけてきたが、今年の公開で、今、配信もされている「明け方の若者たち」には、少し大人になった彼女が見られた。多分、今回は70歳くらいまでを演じなければいけないのでは?と思うのだが、良い経験である。というか、こういう感じで一年近く同じ役を演じるということは、ここでしかないことで、そういう意味でも、朝ドラのヒロインってすごく大事な女優を育てる場所にもなってると思う。パワハラ、セクハラも流石にできないでしょうしね…。
色々と、楽しみがある題材と俳優陣、半年間、よろしくお願いします。
しかし、今日の、アババの話は悲しい話でしたね。で、やはりアベベは、裸足のランナーを思い出してお別れできなかったのでしょうか?