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「法廷のドラゴン(第5話)」手抜きは見破られるということと、伝えるということはそういうこと・・。

最初に、高杉真宙の父親、藤井隆がいかにすごい弁護士だったかという話を入れて、子が親を継ぐ、そして超えるとはどういうことかを簡単に見せた今回の話。和菓子という、繊細な食べ物であるから納得もできた。そう、主役の上白石萌音を見ると「カムカムエブリヴァディ」のあんこに「おいしゅうなれ」と声をかけるシーンが浮かんでくるが、あれと同じ話である。求肥を仕込む時間を3時間から30分に短くするということで。その成分は変わらないにしても、そこに尽くした愛情は変わるのだ。そんなことがあるのか?と言われる方も多いかと思うが、世の中とはそんなものである。苦労をした人が優しくなれるようなもの。この辺の話がわからないなら、まだまだ未熟者である。まあ、近頃は高齢者でもそういうことがわからない人が多いことを私は知っていますけれどね・・。

今回は、ドラマのオチを最初に言ってしまった。内容は、老舗の和菓子屋の和菓子をライセンス契約して通販サイトに出したが、その味が違うということで作り手の角野卓造が実名でサイトに「紛い物だ」と書き込みをしてしまう。それが契約違反だとされ訴訟が起こされる。そして、向こうの会社には息子の草川拓弥が務めているということ。結構、面倒な案件。

そして、その味が違うと最初に行ったのが、角野の妻のかとうかず子。彼女だからわかる部分でもあるだろうが、大事なことである。だが、向こうの会社からは成分分析表まで出てきて、かなり裁判的には不利。

そう、この裁判、この味がわかる人がすこぶる少ないわけだ。で、裁判の議場でかとうに食べ比べさせるという、かなり無理なやり方で攻める上白石。でも、確実にかとうにはその味がわかる。それを見せて息子に、本当はどうしたの?という攻め方。かなり無理がある。これは、息子にまだ親を思う心があるかどうか確認する儀式ということである。そして、息子はレシピ通り作ってないことを吐露する。この流れはわかるが、これを将棋に当てはめていくこのドラマ、無理があるし、よくわからない。

で、結果的には親子和解する形になるのだが、裁判的には負けた通販サイトの社長の描かれ方が紋切型で面白みに欠けていた。結果的にはこういう輩は愛がないのだという帰結は短絡的すぎるようには見える。確かに80%くらいはそういう感じに私も思いますが・・。

どちらにしても、最近はこういう和菓子も洋菓子も、流行り物は美味しいのは確かだが、本当にそこに「愛」はあるのか?というといろいろと疑問があったりする。ここでは、味を言語化できていないのはやはりいろいろ厳しさも感じる。消費者ももっと舌を肥さないとという問題もあるしね。

で、次回は、白石麻衣が出てくるのかな?

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