「六本木クラス(第2話)」女たちの描き方と街の虚飾性とのシンクロがドラマを作る
第2話も面白かった。初回で刑務所に収監された竹内涼真が刑期を終え、その7年後に自分の店を六本木に出すまで。言うなれば、ここまでが、今ドラマのイントロダクションということなのだろう。その中で、竹内の気持ちは一直線で変わらないものの、初恋の人である、新木優子は、竹内に屈辱を合わせた香川照之の会社に就職、そしてラストシーンでは、恋とビジネスは別ということか?竹内を強くするためか?店を窮地に追いやる。こういうのは、梶原一騎的なドラマ作りのようにも見える。言うなれば、竹内と新木は「愛と誠」というふうにも見える。ただ、どちらも若い時は不遇というところでは、それとは異なる。そう、新木が決してお嬢さんでないというところがこのドラマの鍵なのかもしれない。
そして、7年後の六本木で、竹内とはパラレルに描かれる平手友梨奈。彼女にぴったりの役ではある。そして、そこに一緒にいる鈴鹿央士。この二人、「ドラゴン桜」の同級生だが、上下関係みたいなのはあまり変わらない感じ。だが、ある意味、コンビネーションは悪くない。新木と全くキャラが被らないところで、平手がどこまで竹内の周辺で暴れられるかというのが今後の見どころなのだろう。相変わらず、眼力で演技をしてくる平手の映像から発するエネルギーは強烈だ。
ドラマの雰囲気は、やはり原作ドラマに影響されているのだろう。映像に日本のドラマではない空気感を多分に感じる。ある意味、元のドラマの構図を真似してるところもあると思うし、そこは翻訳物という居直りで、日本のドラマにはない空気感が出ているのだろう。脚本も、無駄なところが少なく安定している。こういうの見せられると、日本のドラマの閉塞感を感じずにいられない。NHKでさえ、見るも無惨な「朝ドラ」を平気で流していますしね。やはり、海外で作り直したいと思うようなものを作ってかないとビジネスにならない時代だと思ったりします。
とにかくも、竹内が店を開き、新木の手で営業停止に追い込まれる。そして、平手が協力者となり、ネットの手を借りて、新たに販路が広がっていくという流れなのだろうが、そこをどう、泥臭く見せていくかが、ドラマを勢いづかせる鍵のような気がする。
まだ、ここまででは、視聴者が竹内にシンクロできていない。あまりにも、おとなしい真面目な青年が、どこで、ビジネスで本気を出して、こちらを唸らせるかというところがこのドラマの肝だろう。そして、香川照之の徹底的な潰しの連打みたいなものも見てみたい感じ。そう、このドラマは昔からよくある復讐劇だ。そこに、どれくらい、面白いエッセンスを入れていくかというところが肝であろう。そういうもの作りでは、今は韓国に圧倒的に差をつけられつつあることは確かである。そんなことも考えながらも、次回が楽しみなドラマだ