「366日(第10話)」最終回前に愛の高まる空気があまりないですよね
次回が最終回ということで、もう少し盛り上がってもいい気はするが、眞栄田郷敦の心が、広瀬に動いているようにも思わない中で大阪行きが決まる。そして綱啓永の気持ちも広瀬にうまくつながらないみたいな空気がズーっと続いて、わからなくはないが、もう一つドラマが盛り上がってこないのは、やはり、脚本的に見れば設定が失敗な気がする。記憶を失くした眞栄田をうまくコントロールできていないし、そのことで、広瀬アリスの主役としての存在感がここにきてすこぶる乏しい気がする。
そんな中で、長濱ねると坂東龍汰は、やっと恋人として成立する。この二人は傍キャラであるから、この流れは最初から考えられていたことだろう。坂東が指輪を渡してから、長濱がプロポーズするみたいなのは新しいし、昨今の男女の仲はそんなものかとも思わせた。
あと、前田公輝が恋人と別れて、また引っ付いたみたいな話があったが、これは、音楽教室内の話であり、あまり、他のドラマとシンクロするところでもない。そして、この風景を見た広瀬が、そこに自分の気持ちが感化されたような感じにも描かれていないのはなんだろう?
そう、今回は、眞栄田が考えたレシピが1等になり、それもあるのか、大阪で再度店舗展開する役をもらえることになる。記憶障害がどこまで良くなってるかはもう一つ分かりにくいのだが、そこまで社会復帰できるようになったということは、ラストに向かって嬉しいニュース。でも、彼の傍には看護師の夏子がいるわけだ。
そう、この眞栄田と夏子が、こんな仲になる過程はあまりちゃんと描かれてはいないのですよね。だから、なんで、広瀬はもっと強引に前田に飛び込んでいかないのかと思うところはある。眞栄田が広瀬に距離を取りたいのは記憶がシンクロできていないところがやはり大きい。そこが戻らないと、この二人は恋せないということか?でも、眞栄田は、坂東の結婚式用のビデオの撮影にやってくる。たまたま故郷にいたからということはあるだろうが、この描き方ももう一つ曖昧。
ということで、脚本家は、この高校生からあまり恋愛指数が上がっていない若者たちをどうしたいのかがよくわからない。確かに最近の30代に入る付近の若者を描くドラマは、その層の捉え方は、みな、似たような感じなのかもしれないが、これ、今、同世代の皆さんは理解できているのだろうか?
とにかくも、次回は最終回。私が思うに、長濱と坂東の結婚式が行われる中で、いろんな回想シーンもあり、眞栄田の広瀬が好きだと記憶が鮮明になり、元鞘に収まるみたいな感じだと思うのだが、そういう流れも唐突に思えるし、ゴールまでもうすぐの夏子は可哀想すぎる気もしますよね。
まあ、爽やかな青春ドラマではないのですよね。