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「秘密~THE TOP SECRET~」脳をMRIにかけると記憶が絵になって出てくるって、それでは悪事を墓場まで持っていけないではないか!
原作は清水玲子のコミック。脚本は佐藤嗣麻子。ドラマの流れ自体は面白いが、人の脳をMRIにかけると、その記憶が映像となって見ることができるとは、かなり突飛なSFとしか言いようがない。ある意味、この最初の嘘を私たちの頭がクリアしないとついていけない気はした。
そして、今回のミッションは、死刑囚で死刑が実行された光石研の脳を見るということ。で、光石さん、本当に独房から出され、執行されるだけの出演。まあ、なんでもやるバイプレイヤーだが、これでいくら貰ってるのか気になるところ。
で、その死刑囚の脳を見てみると、彼の向こうには血のついた刃物を持った娘の夏子がいた。つまり、冤罪だったわけだが、刑を執行した後で何もできないという話。で、ここで私は疑問を持つ。この事件数年前のことらしい。確かに衝撃的な現場だから覚えているかもしれないが、詳細なところを脳は勝手に書き換えることがある。つまり、脳に対して賞味期限というものがあるのではないかということ。で、こんなはっきりと映像で出てくることはないだろう。確かに今の技術なら、記憶の断片をスムーズな動画にすることは難しくはないけどね・・。
そして、同時に行方不明だった夏子が現れる。この時点で彼女を捕まえることはできないが、彼女がまた殺人を犯すかもしれないのを待つという流れになる。こんなこと、普通の警察だったらやらないだろう。というか、このシステム、警察にとっては人手不足にはいいシステムかもしれないが、やはり道徳的にどうなの?という問題が出てくる。私が思うに、こういう殺人みたいな話より、特殊詐欺的な嘘つきを暴くには有効かもね。しかし、こういうのを見せられて、これが全くの嘘とも思えなくなった時代ということに驚くばかりではある。
そして、今回の事件は、夏子が連れ出した少年が事故死したことで、その少年の脳を見ることはできないか?という流れになるが、それはできず、彼の愛犬の脳を見るという、予想だにしない流れになる。というか、ここで、犬の記憶ってどうなの?とか、犬の視界ってこんなにはっきりしてるの?とか、見ている方の頭が混乱に陥った。これで、その映像に夏子が現れ、そして彼女が殺しをしてその遺体を遺棄していた現場も出てきて、彼女を逮捕できる道具が揃うわけだが、かなり無理があるよね。だって、犬の記憶だぜ!
本当にこれができるなら、犬好きの飼い主が自分の死んだ犬の記憶を見させてみたいなサービスしたらすごく儲からないか?とか思ってしまいますよね!
それよりも、最後にこのシステムの設計者である國村隼が自決するシーンで終わる初回って、どうなのでしょうか?これなら確かに二回目は見たくなるけどね・・。
で、主役は、単独主役は初めてであろう板垣李光人。いつも彼はそうだが、キリッとしている好青年だ。タッパがなくても、美しさがあるので見ていて印象的ではある。そして、初回からいろいろ悩んでる風が良い。彼、手塚治虫の漫画の主人公的なイメージありますよね。中島裕翔、門脇麦とともにどんなドラマができあがるか?というところ。
奇抜な話だが、まあ、どこまで嘘っぽくならないかというところか・・?