「院内警察」病院という世界を真摯な世界に保つための警備活動の必要性
CX金曜9時。前クールからできたドラマ枠。前期の「うちの弁護士は手がかかる」はコミカルな司法ものであり、週末だから、こういう軽いノリのドラマを放映して行くのかなと思ったら、二作目は病院内のトラブルを追いかける院内警察の話。そのドラマの話の向こうに医療ミスの隠蔽みたいなものが見え隠れする話。コミック原作だが、至ってシリアスなストーリーなようだ。つまり、放映枠で内容をどうこうということは考えていないらしい。まあ、何を出そうが大化けするドラマがなくなってきたと言うところでしょうし、ドラマは後追いでストリーミングで商品になると言うことで大量生産が続くと言うところでしょうな。
とはいえ、初回なかなか面白かったです。というか、今までのように昂ぶる演技をしないようにしてるのがわかる桐谷健太がなかなかクールである。そして、その院内交番の事務でやってきて、トラブル対策にも関わる長濱ねる。印象度は低いが、桐谷と、市村正親とのコンビネーションは良さそう。
初回は15分拡大版もあり(今だに初回は時間延長みたいなドラマが多いが、何の意味があるのだろうと思う。拡大せずに1回増やせばいいことだろう。連続ドラマは一時間枠でやるからこそ意味があると思っている私である)ドラマで扱われる事件は3つ?
まずは、ジャブ程度の、入れ歯噴出事件。患者のでんでんが他人の入れ歯を間違えてつけていたと言うもの。桐谷は、それをでんでんの滑舌の悪さからカンずく。彼がプロファイリングのプロであることは、ここからわかってくるのだが、頭をうまく使う訳だから、いつものように吠えない桐谷健太なのですな。
そして、膵臓がんの妻が死にそうで、暴れる男を止める話。その裏には、若手の天才外科医の瀬戸康史のスケジュールの調整などもあり、それにより、夫が殺人未遂で逮捕されてしまうという結果になる。その辺りのタイミングを失うようなことも病院の中ではあるのだなとは思うが、このことで、桐谷と瀬戸の隠れた確執みたいなものが見えてくる、なかなかドラマの本筋の上手い導入。今、再放送してる「まんぷく」で二人は共演しているが、あの番組の放映が5年前。そこから考えたら、二人とも印象深い役者になったなと思うところがある。この二人のこれからの対決楽しみですな。
そして、手術を受けたがらない少女(宮崎莉里沙)の話。その裏には、手術が怖くなって手術をしたくない医師の話があり、彼が宮崎の大切な金魚のぬいぐるみを隠していたと言う話につながる。この事件も、桐谷がプロファイリングで解決して行くのだが、長濱と一緒に少女に「ぬいぐるみけいじ」と名乗るようなお茶目なところは、なかなか人間臭くて良かった。
つまり、この初回で主人公の桐谷の人間性みたいなものはほぼ開示したわけで、この人の話ならみてみようとさせる導入としてはなかなか秀逸だった。これから、回ごとの案件と、本筋として桐谷が操作してる内容が一緒に進んでいくのだろうが、スピード感があり、中身が濃いドラマを期待できる感じはしました。