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「放課後カルテ(第9話)」学校に勤めることで子供の心に寄り添える医者になるということ
今回のラスト、産休をとっていた養護教員のはいだしょうこが戻ってくる。子供達が卒業式まで60日とちょっとというところで。つまり、松下洸平がこの小学校にいるのも後2ヶ月。そんな時に、前に心臓が悪いのに学校探検をして困らせた一年生の児童の心臓の手術が決まる。その時に友達になった6年生が動画を送ってくれるとか、今風の励ましもあるが、やはり当人は手術が怖い。医者的には、そこに絶対はない。だから、「ドクターX」がドラマチックになるわけだが、ここで、松下は彼に絶対と言う言葉を使って励ます。
それを話した吉沢悠に、それは先生としての言葉だねと言われる。この彼は、「目に映る病気を診るだけでは足りない」と言う言葉を吉沢に吐く。そう、小児科というのは特に、子供たちの心の中も診て行かないといけないところなのだろう。そして、子供がかかるすべての病気についてみなければいけない。そういう松下の心の変化というのは、ドラマ全体を通じてなかなか見事に描けていたと思う。ただ、実際にこういう医師が学校にいることが必要かはわからないが、やはり、養護教員にとっても、どれだけの知識があるかが大事なところだろうし、やはり子供の心を読み解く力は大切のように感じる。
今の学校はとかく6年生にもなれば受験という子も多いとは思うが、このドラマではそこの部分は全く描いていないのはいいことか悪い子とかはわからないが、私の時代もそこまで受験などという話はなかったから、こういう方が普通には感じる。
あと、「子ども食堂」や「学童保育」みたいな問題も出てこなかったが、そういう問題を除いても、今の子供達はなかなか生きにくい社会なのだなというのはよくわかった。まあ、こういう問題を政治で解決できないのが辛いという話なのだが・・。
で、問題の心臓手術は成功し、彼の復学を松下は見守ることができた。登校した彼に松下は普通に微笑みかけた。ここも、無理にという微笑みでないのが良かった。吉沢悠が思ったように松下は、ここにくる前とは全く違う意志の中での医師であることがよくわかるような笑みを見せる。
さあ、次回がラスト。どのように松下は卒業式で皆に送られるのだろうか?そして、彼の心の中はどのように変わり、それはドラマとしてどういう訴えかけになっていくのかは楽しみではある。
ここにきて、森川葵の出番が少なくなったのはちょっと残念だったりするが、やはり先生役のホラン千秋、芝居上手くなってきましたね。なかなか今回の松下との絡みは良かったです。