「あのクズを殴ってやりたいんだ(第4話)」リングに戻れない苦痛と、女の嫉妬と、まさかの怨恨
初回の冒頭以来のボクシングシーンが出てきて、ドラマ的にはテンションが上がる。このドラマ、いろんな人間の苦悩の話が盛り込まれているが、あくまでもボクシングドラマだと思う。ここまでかと限界を感じたところからの逆転劇みたいなものが、ドラマ全体で描かれていけば、結構な傑作になる気がしてきた。
で、玉森裕太が思いの外良い。今までになかった心を閉ざしたクールさみたいなものがよく出ている。ボクシングシーンも格好になっていた。で、結果的に殺してしまった大東駿介には、試合では勝ってたのですね。そして、お互い激励しあおうというところで大東が倒れるのは「あしたのジョー」であることは確か。そして、久々のボクシング会場で試合を見て嘔吐するのも、そこからのヒントと思われる。とすると、このドラマ、玉森がリング復帰するのが一つのゴールとして考えられているということか?
だが、ジムのオーナーの渡部篤郎はそんな彼をよくは思っていないようだ。彼が大東の墓に捧げた花を掴んで投げ捨て踏み潰す。これは、玉森への怒りか?大東への怒りか?その辺りが彼のボクシング復帰にどう立ち塞がるのか?
あと、その娘の岡崎紗絵は、ボクサー目指していたが、目の病気で断念したことがわかる。そして、玉森を本当に好きなことも。それを知る奈緒という三角関係もここからまた、いろんなドラマを産むような気がする。で、岡崎紗絵の演技がなかなか良い。今までは医者の役が多く、どちらかというとお澄ましモードの役者だったが、ボクシングのセコンドがちゃんとできてるのには驚いたし、そんな彼女が美しく見えた。これからも楽しみなところ。
そして、ボクシングを見に行った玉井詩織が、奈緒のことが大嫌いなことがわかる。自分が男に相手にされないのが嫉妬心につながってるのだろうが、このキャラのパワーもここから波乱を起こしそう。これは奈緒が思ってもみないルートのアウェイなので面白い。
奈緒自身は、やっと複合的なスパーリングが始まったところで、まだリングに上がろうという本格的な意思は生まれていないのだろうが、試合後にリングに上がってシャドーをやるところは心変わりを感じさせる。そこに、文句を言いにくる玉森。この二人の喧嘩腰は最後まで続くと思われるが、奈緒がどういう流れの中で玉森をボクシングに復帰させるかというところが肝か?
とにかくも、この4回目、それぞれのキャラにいろんな動きがあって面白かった。ある意味、ここまでの流れというか、キャラの未来へのベクトルの行方を整理させてみせた感じ。さあ、ここから、皆がどう動いていくか、楽しませていただこうという感じですね。
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