「六本木クラス」韓流ドラマの香りと、そのルーツの日本的な復讐劇の香りと、確かに面白くはある
韓国ドラマ『梨泰院クラス』の翻訳ドラマである。梨泰院という土地の名を調べると、その地は混血児が集まった土地「異胎院」からきているという説があるそうだ。そう考えると、日本に置き換えた場合、「六本木」というより「福生」みたいな土地の方が似合う話なのかもしれない。まあ、それでは、ドス黒い感じになるから「六本木」なのだろう。
私は、このドラマを知らなかったし、元々韓流ドラマを見る余裕がないので、そこはつついてない感じ。確かにみれば面白いのはわかっているのだが、その空気感というか臭いはそれほど感性にあってるわけでもないので見ないというところ。そういう観点からこのドラマを見てるので、そこは、あしからず。
冒頭は、この話の本質に入ってからのシーンから始まる。平手友梨奈からドラマを入る感じは期待できる。彼女が出てくるとちょっと不穏でも、クールな空気感が出る。
そして、初回の本題は、何故に主役の竹内涼真が六本木で店を出しているか?という根源の話。竹内が刈り上げにしてるのは、ある意味、韓流の俳優を意識してるというところか?まあ、敵である早乙女太一とのコントラストもあるのだろう。転校早々、早乙女と喧嘩し、早乙女の父親の香川照之に土下座しろと言われ、拒否し、その日に退学になる。そして、香川の会社に勤める父親の光石研もクビ。そして、居酒屋を開こうとするが、その開店の日に父親は早乙女の車に撥ねられて死亡という話。昨年のドラマ「最愛」でも、光石さん、死んじゃう父親の役でしたね。よく殺される。そして、香川照之は金で全て解決させようとする悪役。彼は、正義の味方より、こういうふうな役の方が、ノってる感じがしますね。
まあ、それぞれにキャラが立ってて面白い。そこが、韓流ドラマのいいところでもあるのだろう。そう、こういう濃い話は、昭和の頃の大映テレビだったり、梶原一騎が描く無謀な設定に似ている。そういう意味では、韓流ドラマは、日本の昔のドラマのエッセンスをハイブリッドさせたようなものなのだ。日本ができなかったことを韓国がやってのけただけ。そういう意味では、日本人が見ても、十分に面白いストーリー設定ではある。
とはいえ、初回の見どころは、竹内涼真、新木優子、早乙女太一の高校生姿だ。少し無理があると思われた方もいると思うが、私的には、ギリギリありという感じだった。特に化粧っ気のない、新木優子、かわいいじゃないか!!綺麗な役者さんなのだが、もう一つ振り幅が少ないと思っていたが、こういう若作りでちょっと幅が出せた形。まあ、次週からは大人になったいつもの新木になりそうなので、今回は貴重ということだろう。
そして、話としては、ズブズブの復讐劇なのですね。そう考えれば、最初に食らった屈辱が大きければ大きいほど、ドラマは盛り上がる。もちろん、復讐の結末も、泥臭く、爽快な感じに向かっていくのだろう。竹内の周囲に平手をはじめ、中尾明慶、鈴鹿央士、矢本悠馬など、芸達者も揃えてるので、なかなか先が楽しみなところ。