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「転職の魔王様(第6話)」世の中が楽しく仕事できる社会にするには、まだまだ時間がかかる?

転職の話というのは、半世紀前からあまり変わっていないのではないかと、このドラマをみて思ったりしている。35歳が転職のボーダーライン的な話も昔から進歩がない。日本は年功序列の船団護送方式というやつがほぼ壊れてるにも関わらず、社会の就職規範的なものは何も変わっていないということだ。

今回のクライアントは不動産営業をしている、宮野真守。営業の能力はトップクラスだが、転職を繰り返し、このシェパードキャリアでも転職王子などと呼ばれている。そして、案件を提示し、面接を受けてみると、自分より実績もない若い人に負ける始末。つまり、企業は、年のとった少し給与をはずまねばいけない社員より、若い可能性を優先しているということだ。まあ、企業自体の意識が老害になっている以上、こういう結果になるでしょうね。

彼は、不動産営業は好きでそれをうまく進めていく自信もあるが、出世して管理職になるのが嫌だったのだ。そして、一度は腹を決めて出世コースに乗ってみようと思うも、班長になった途端に、成績の悪い部下に怒鳴ってしまうし、上司からはノルマを守れと圧力をかけられる。ある意味、彼が入社の時に思った通りのデジャヴな状況を自分が起こしてしまっているのだ。

しかし、いまだにこういう風景がドラマで描かれるということは、日本の仕事に関する感覚が何も変わっていないということなのだろう。特に、正社員だ、派遣社員だと、格差を明確にする今の職場では、能力主義と言いながら、その能力の実態がよくわからないし、結果的にながいものに巻かれろという世界が残るだけだということだ。

そんな、彼の姿を見て小芝が「自分を変えることなく、楽しく生きていける社会の方がいい。」と愚痴る。確かにそうだ。日本はいまだに個人レベルで生きていこうと覚悟を決める人は少ない。でも、このドラマの落とし所は「起業する」という話。もっともっと、ここから、そういう勢いで細かい起業が増えていき、それが、今の大資本を消し去っていかないと日本社会は変わっていかないと思う。そして、ちょうど今はポストコロナ。日本のあちこちでこういう新しい芽吹きが起きていることを期待する私であったりする。

今回の案件、話的には古いのですが、一昔前だったら、そんなに簡単に「起業」などという言葉は出てきませんよね。そういう意味では、明らかに日本社会も変わりつつあるということなのでしょう・・。

で、白州迅は、何者なのですか?で最後に、石田ゆり子が拒否された家の中には誰がいるの?次週に向けて謎も増えて、普通に面白いお仕事ドラマですな。


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