「マウンテンドクター(第11話)」"山の医者"ができるまでのドラマということですね
ラストは大森南朋も目を開き、杉野遥亮を山の医者みとめる。山荘も実質は宮澤エマが引き継ぐということで山の安全は保たれた感じ。そして岡崎紗絵は山岳医療の資格をとりに海外に旅立つ。彼女が帰って来る頃にはMMTはより強い組織になっているということだろう。そういう意味では、パート2ができても良い作りである。今度は、最後に話もあった過酷な冬山の話を見せていただきたいとも思う。
今回は、前回の最後で大森が救助の後で倒れる話。色々あって、ヘリを救急車みたいに出せないという話がのっかってくる。つまり、山で医者が死にそうなのは自業自得みたいな話なのだ。それも、行政がMMTに対しよく思っていないで、解散させようとした矢先の話だから尚更厄介。行政側の担当の松尾愉の今回の役は、鉄仮面のように意見を変えない役。笑顔が一切ないのはなかなかいつもにはない感じで最後まで演じ続けたのはさすがと言って良いのか?
しかし、MMTが解散というニュースから、多くの署名が集まって行政も方針転換させずにはいかなくなったという話は、ドラマ一回分にまとめて扱っても良かった話。長野県という日本の山の多くがある地域でMMTのような組織があることが何を意味するのか?そして、登山者とはなんなのかみたいな命題をいろんな角度から描いて欲しかった気はする。最後にレスキューの平山祐介も頭を下げるシーンはあるが、彼の心の葛藤ももう少しちゃんと描いて欲しかったなと思ったりもした。かなり無理くりでのラストの持っていき方でしたよね。そういう意味では、最近のドラマのワンクールの回数が少ないのはよくないなと思ったりもした。やはり、ワンクールは13回でちゃんと描いてほしい。
MMTが解散になって、杉野が山のパトロールに回るとか、岡崎が母親の言う通りにはせずに山岳医療を勉強する決心をしたとか、結果的には、MMTのメンバーが山岳医療がとても大事なことだという認識を持ったのを描くシーンはなかなか良かった。
そして、山荘の主の石丸謙二郎が山荘をたたむと言ったときには、それは、病院がなくなるよりも山荘がなくなる方が大変なことだと思ったが、まあ、山好きの皆さんに支えられ継続が決まったのはよきことだが、山荘の新メニューの五平餅丼はないですよね・・。で、再度、石丸がやる気十分なのが面白かったが、山好きの人は、死ぬまで山に愛されるのかもしれませんね。
と言うことで、最終回でかなり駆け足な感じでしたが、ドラマとしてはそれなりに面白かった。杉野遥亮は、こう言う駆け出しで学習していくような役は似合いますよね。まあ、その辺り、歳を取ればできなくなるところで、今のうちに色々演じて欲しいところですよね。