「しょうもない僕らの恋愛論(第2話)」20年前の過去と、現在の自分をつなげるもの
特に変わったドラマではない。20年前に恋した女の娘が現れ、その20年前の記憶が蘇り、未来に向けての一つの縁ができるという話だ。だが、多分この同じ年代以降の男たちが見ると、皆、同じようにその頃の恋を思い出す感じにドラマが作られている。その、空気感を好むのは、年齢を感じることでもあるのだろう。まあ、仕方ないことだ。
そして、主役の女の子、中田青渚がなかなか新鮮な魅力で迫ってくる。やはり女優さんは眼力が大事ですよね。屈託なく、冴えないおじさん役の眞島秀和に対峙する姿はかなり魅力的。
今回は、まずは母が通っていたバッティングセンターのデート?から。彼女は母が残したそのポイントカードの最後のヒトマスを埋めて、コンプリートしたかったと述べたが、確かに20年前のポイントカードが今も使えてそれで何かもらえたりするなら奇跡的な感じがしてしまいますよね。逆に、奇跡のコンプリートで話が動くドラマも作れる感じがしますね。しかし、バッティングセンターってあまりデートで行くとこではない気がするが、ドラマに出てくるこういうシーンは画になるし、久しぶりに行ってみたくなる感じがいいですね。ここに至る前に眞島さん、肩を捻っちゃうシーンがありましたけど、ここに特に繋がるわけではなかったから、要らなかったのでは?まあ、年齢を示したかったのでしょうね。
そして、亡くなった中田の母親の墓参りに。こういうシーンが難しいのは、結局はみんなの昔話にしか花が咲かないということですね。そして、そういうのが私はドラマの中でも苦手だったりする。そう、私は同窓会というやつが苦手なのです。そして、ここでは、その通りの面白みのない会話が続く。で、先週も思ったのですが、白髪のこともあるが、中田の祖母役の手塚理美さん、なんかすごく歳いっちゃってる感じというか、出てくると、九重佑三子さん観たいですよね。そう、コメットさんが老けた感じ。「ふぞろいの林檎たち」を懐かしく思う世代としては、色々思うところであります。
で、今回の最後のデート?が大学のキャンパス。これも、そこに帰ると20年前にタイムスリップできる場所。とはいえ、20年前のままその風景が残ってるところも少なかったりしますけどね。そこで、眞島がなぜ中田の母と会わなくなったかを語る。そう、そこであったことをその場所で話すって結構ドラマになりますよね。眞島自体の脳裏がだんだん20年前に引きずらていっくと同時に、母親に似た中田の屈託ない雰囲気に呑まれつつある感じが、おじさんとしてはすごくわかる気がする。さて、いけない恋はここから始まっていくのでしょうか?