「アトムの童(第3話)」敵が周囲を全て取り囲んでいる状況を真摯な態度でどう逆転するのか?
しかし、ゲームを作る段になって、後から入ってきた林泰文や、松下が連れてきたパブリッシャーの玄里など、そして銀行の皆川猿時らも、全てオダギリ・ジョーの手の中にあるということが、この回で完全に明らかにされ、なおかつゲームのデータを全部消去してしまうとは、オダギリ・ジョー、自分の利益のためなら、他人の夢などどうでも良いというスタンスが明確になってきた。しかし、ゲームを作るときにバックアップというものをしていないということはないだろうと思うのだが、そのファイルまで消したのか?まあ、データを持ち逃げしなかっただけ良いということか?いや、しているのか?このあたり、「データを消す」という単純なことを脚本にかけるところが素人っぽいのだが、ドラマ的にはそこをどう乗り切るかが見せ所だから良いのだろう。とにかく、実際よりはセキュリティが甘すぎる感じに書いてありますよね。
しかし、そのデータ消失が、岡部大が持ってきたインド人と会う前だというのは、すごいエグい話ですよね。インド人とのやりとり見たかったが、まだあるのかな?ここにきて、オダギリ・ジョーの冷血さが前に出てきた。敵はなかなか手強いというか、あまり敵にしてはいけないのがこの男だが、誰かモデルがあるのだろうか?気になるところ。
そのオダギリとアトム玩具の面々の心模様が真逆にあることは、先週までも書いてきた。そして、今回のような金の話になると、もはや勝ち目はない。そして、投資を募る方法にもかなり無理がある。ここで、今風のクラウドファウンディングの話が出てこないが、これからそういう流れもあるのだろうが?ジョン・ドゥーの新作といえば、それなりの人が投資してくれると思うのだが。そんなドラマに幅を持たせる感じがあまりないのは全体として大雑把な感じに見える。
とはいえ、山崎、松下の熱い想いが伝わってくればドラマは成立するわけで、敵はゲーム作り以外のビジネスでは勝てないような相手。だからこそ、山崎や松下は、ストリートファイターに勝つような感じで向かっていくのだろうと思う。相手は、えげつなければないほど、燃える感じはドラマとして面白い。
多分、最初にオダギリから、アトムに寝返るのは林泰文のような気はする。ただ、彼に応援できるだけの術があるかどうかは謎である。いや、消した時に彼がバックアップを持っていたとか?(彼が消したとは、予告編を見ての推理だからそうでないかもしれませんけどね)。まあ、次回を見ずにはいられない展開ではありますね。
私も、2日くらいかかって書いた設計データ、自分で消してしまって、やり直したことがあるのですが、その喪失感とか、ドラマにあるようなものじゃありませんよ。ましてや、他人に消されたとなったら、殺したくなりますよね。そういう意味では、彼らの最後の演技はまだ、現実がわかっていないところでしたね。