「夕暮れに、手をつなぐ(第5話)」ミュージシャンとデザイナーを目指す夢の華やかさとこたつの風景
北川悦吏子さん、スランプ脱出的な面白さになってきてますね。世代的なものかもしれないが、ミュージシャンやデザイナーを夢見る話ってたまらなく好きだったりします。先週の広瀬すずがデザイナーの才能の片鱗を見せてからの流れが最高である。そして、ミュージシャンとして成功の鳥羽口にいる永瀬廉の仕事を手伝うところで、即興ドレスの制作を行うアメージングなシーン。今回は、ここに持って行かれた。まさしく、結果はセリーヌ・ディオンになっていたのか?w
そして、遠藤憲一の店で働く、広瀬の姿が輝いている感じがすごくいい。こういう役のメリハリをちゃんと作れる女優さんになっていることを如実に証明してる感じ。そして、訛りがあっても、なぜかこういう雰囲気にあっている感じがこのドラマの勢いになってきた。
そして、最後の方で、パタンナーの黒羽麻璃央(この人、桜井ユキさんの旦那なんですね、驚いた!)と表参道を歩くシーンも良かった。こういうシーンを引き立てるためにも、やはり、一回目二回目あたりは、広瀬をもっと野暮ったく描く必要があった気はする。そうすれば、ここでの成長も見えるし、この先、もっと素敵な雰囲気になる予感みたいなものが見えてきたと思うのだが・・。
そして、その後に蕎麦屋で永瀬廉とばったり会う感じ。もう、永瀬はすっかり広瀬に恋に堕ちてるわけで、この辺の男の振り回し方は、北川脚本らしいよね。こういう感じが今の若者たちにどう捉えられるかは興味がある。
そして、その前日の夜の二人でこたつで寝るシーンも重要だろう。永瀬が思っている二人の距離感をここに出しておいてから、上記したシーンがあることに意味があるのですよね。そんな、永瀬は、徐々にプロになる意識が膨れ上がってきているところで、松本若菜の勢いに振り回されて、恋どころではないところも、ドラマとしては面白いところ。松本さん、本当に存在感出せる女優に変わってますよね。
そして、脇のキャラとしての田辺桃子が今度は広瀬すずとつながるが、彼女はどんな役割を果たしていくのか?決して恋敵という感じでもない気はする。しかし、唐突に出会った男を、「命の電話」代わりにするような話っていうのは、少し今っぽいかなと思いました。
で、松雪泰子が広瀬を捨ててデザイナーになった話も挿入された。これから、どこで松雪と広瀬を合わせるか?というタイミングもすごく大事なところなのだろう。広瀬がデザイナーとして化けたところで、この周辺の世界がどう変化するのか?そんな楽しみなドラマになってきた。
夏木マリと遠藤憲一の昔話は、その昔の原宿の周辺の空気感を感じさせる。それは、今のそれとは格段に違う勢いを持っていたものだと思う。その、世界を手に入れていくような企みみたいなものを、今の若者である、広瀬や永瀬に感じさせられれば、このドラマは成功のような気がする。
北川脚本、もう、あまり迂回しないで正攻法で、クリエイターたちの光と影を描いていってほしいと思う。ドラマの後半戦に期待いたします!
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