「くるり~誰が私と恋をした?~(第11話)」失くした記憶の向こうにもう少し意外性が欲しかったかな・・。
だいたい予想通りの展開という感じのラスト。テレビドラマというやつは、そういうものを好む人も多くいるわけで、それはそれで良いのだろう。
前回も書いたが、ここにきて、最終回の生見愛瑠は本当に美しかった。この娘、そんなに主役級の女優さんだとは見えなかったが、ここにきて、本当に綺麗になり、芝居も何かシリアスな部分が見ている方に印象深さを与えるようになった。とにかく、もっと主役で使って、女優力をつけさせるべき素材ではあると思う。そういう女優の成長を見るのが私はとても好きである。
で、今回最後の方で、ちょっと記憶が戻っている片平なぎさと話すシーンがあったが、片平も、60過ぎてまだ可愛いのがけしからん感じですよね。生見が60過ぎてこんな感じであれば、いいよなと思ったりもする。
で、問題のラストの展開。まずは、宮世琉弥が恋人であったことを生見が思い出し、デートから。ここで、よくわからないのだが、記憶が戻った瞬間に「私、好きだったんだ」と意識的に感じたのだろうか?その後、記憶はさらに戻り、宮世とは別れたということを認識し、またも振るという状況になるわけだが、この辺りの恋心の記憶の戻り方みたいなのが、このドラマもよくわかりませんよね。脚本的にも、演出的にも、そういうところをもう少しちゃんと考えて描いて欲しかった気はする。
そして、神尾楓珠も、ただのいい人キャラのままに終わってしまうが、記憶が戻る前に比べ、これから、多少は気にしてはもらえるのだろうが、もう少し、勝手に生見にアタックするようなシーンも欲しかった気もしますよね。結果的には、生見の記憶が戻る前に存在が戻ってるのは悲しい。そう、このドラマもそうだが、記憶喪失のドラマというのは、ビフォアーとアフターが人生としてどう展開するかが描いていて面白いところと思うわけだが、そういう意味では、まあ、記憶が戻る前の生見に戻るわけで、もう一つ捻りが欲しかった気はする。
とはいえ、地味な感じだった彼女が、少し派手目に外見も内面も変わっていたっというのは、それなりに良かったというべきなのかもしれない。指輪を作る仕事についたのも一つの転機だったしね。それにシンクロするように生見が綺麗になっていくわけだからね。そういう意味では、生見の女優人生の中で、このドラマ、結構、大事な作品になる感じもする。ファンの人は、結構、何度見ても飽きないでしょうね・・。
で、最後は、無事にというか、瀬戸康史が彼女を手に入れる感じ。最初から、彼女のいろんなことに真摯に付き合ってサポートしてあげていたのは彼だものね。ある意味、こういう甘くて、頼りになる感じの俳優は最近少ない感じもするので、彼もまた役者として独自のあり方みたいなのをつかんだのかもしれない。
まあ、記憶喪失ドラマとしたら、50点つけられるかどうかのドラマでしたが、最後は綺麗な結ばれるシーンで良かったんじゃないですか?