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「海に眠るダイヤモンド」軍艦島を舞台にすることで何を描くのか?

日曜劇場で、野木亜紀子X塚原あゆ子X新井順子のタッグ作品。この間、映画「ラストマイル」がヒットしたところで、タイミング的には良いが、軍艦島の話とはなかなか重いテーマを持ってきた感じがする。とはいえ、もう一つ勢いがなくなった令和の日本と昭和の高度成長期をつなぐフラグとして軍艦島というものがあるのか?と、初回を見て思った。

冒頭は現代の話から。ホストの神木隆之介に関わる謎の老婆、宮本信子。彼女がホストクラブで騒ぐ。心配する神木だが彼女は札束を持っていた。その流れで、次の日、二人で長崎へ。ちゃんぽん食べて、端島ツアーの船に乗ったということだろう。ここでの雰囲気で宮本がここの出身なのはわかる。

で、華やかなりし日の端島に話が移るわけだが、ここで、宮本信子は誰なのか?という謎が出てくる。最もわかりやすく考えれば、福岡からやってきて、女給として働き、ゲストを怒らせる池田エライザのような気はするが、宮本とはちょっとタッパが合わない。それなら、杉咲花か土屋太鳳かというとこだが、これから、現代と過去を行き来しながら解かれていくのだろう。

まず、舞台、端島。これ、現地でロケしたような部分がかなりある。CGも使いながら、その風景を作っているわけだが、なかなかのものだと思う。ただ、炭鉱の街はもっとモノクロの世界であり、もっと汚れていただろう。現代にそれを作るとどうしても加減が難しい。とはいえ、現代の話のシークエンスがある分、そんなに汚さなくても時代感は出るということか?そういうところから、かなり楽しめた。

そして、初回から、池田が身体を触られて、大事なお客様に水をかけてしまう。ここで、島の人々がある意味、差別扱いされていることが見えてくる。この辺りは今の差別感とは少し違うが、永遠のテーマとして、この島を描く以上は必要なことだろう。

そして、炭鉱という一歩まちがえれば死につながるという部分も見せながら、ドラマのとば口は、池田が「端島音頭」を歌い、島の結束のようなものをみせ、次回に繋げる。脚本はさすが野木亜紀子という感じでしまった感じで、スピード感もある。彼女がここから何をテーマに紡いでいくのか?というのが私的にはとても楽しみだった。

ただ、軍艦島というものに、炭鉱というものに全く興味がないもには、ちょっととっつきにくという気もする。そういう部分の回避で、現代のシークエンスが必要だったのかもしれないが、どう、現代と過去がリンクしていくというのが大事なところだし、宮本信子の回想の中で、過去の思いが色々と変わっていくような展開なら、また面白いとも言える。

神木隆之介の演技は安心して見ていられるし、とにかくも今期のドラマでは最も金がかかっていそうだし、野木さんの脚本もじっくり楽しませていただこうと思う。

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