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今年の書初め
我が家は、毎年一月二日に書初めをします。
子どもが保育園ぐらいの時は、毎日毎日、年中行事の準備か当日かーというぐらい、季節感満載の毎日でした。
小学校ぐらいも季節の行事で季節感があって、『四季のある日本だなぁ〜』という実感があったものです。
中学や、支援学校の高等部に入ると、学年が変わる時、クラブの行事、学校行事以外には、季節を感じることが少なくなりました。
社会に出てからは、毎日生活。
お正月と、ゴールデンウィークと、お盆以外(それも休日ってだけ)に季節感を感じることって、自分で探さないとないんですよね・・・。
皆さんも同じではないでしょうか?
で、その少ない年中行事を、ちょっと盛り上げたくて、小学生の頃からずーっと続けているのが『書初め』
一年間の目標を考えることにもなりますし、今の悩みとか感じ方を記録する。という意味合いもあるので、とても良い感じです。
そして、書初めをしなければ、多分、息子は『筆を持つ』という行為すらしなくなっていたと思います。
下手ながら筆で描く感触は、好きだったのに・・・
どうしても準備がめんどくさい。。
今年はこれでした。
「存在」なかなか哲学的な言葉ですよね。
そして、左利きなのものありますが、息子の描く絵も字も、なぜか佇まいが、かわいい。(すみません。親バカです。)
去年は、「水泳」だったのに。
どうやら今年は目標ではなく、思うことがあるのでしょう。
ずいぶん前から考えていたようです。
私も2日に書いてから、「なぜ存在?」と、ちょっと考えてしまいました(笑)
一文字一文字、本人が漢和辞典から選んだのですが(小学生用の漢和辞典で、例文も載っているもの)「ある」ということが、大切に思うのだそうです。
確かに、息子はいろんなものを『言語」という記号化して考えることはほとんどしません。
じっと見て実物を頭の中で描きながら考えるタイプです。
☆彡・★彡・☆彡・★彡・☆彡・★彡・☆彡
なぜそんなことがわかるのかーというと、実は私も映像で考えるタイプだからです。
常に、頭の中は動画が流れるように、立体的に動いています。
心配事も、動画が流れるように頭の中で映像が流れて、そうならないための手順も映像が流れます。
学校での勉強は、授業を受ければその映像ごと覚えておけば、板書まで覚えているので復習しなくともテストの時に、その映像を思い出せばほぼOK。という利点もありました。
でも、記憶が薄れていくとその映像のピントがボケてきます。
板書の文字は読めなくなったり、読み間違ったりします。
言われたことはニュアンスまで覚えているので、かなり重宝します。
問題は、言語化です。
今頭の中に、浮かんでいる映像の「どの部分を、どんな表現で」言語化するのか〜
この技術は、かなり難しいのです。
端から客観的に説明すると、すごーく長い話になりすぎますし、どこにポイントを置いて言葉にするかで、その映像の伝わり方は、ずいぶん違います。
私はいつも、途中で諦めてしまって、適当に相手の求めていそうな部分だけ焦点を当てて、言語化しています。
息子も、映像記憶するタイプなのでしょう。
頭の中では、かなり理解しているように見受けられます。
ただ言語化が、ほとんど出来ないし、言語から映像にも出来ないようです。
だから「言われていることがわからない。」「会話が成り立たない」ということになってしまいます。
言葉がなくて、決まった指示しか理解ができない知的障がいのある息子が、「『存在』することが大切だ。」と思う。とか、「自身の存在意義」を考えるなんて、想像できない人が多いのではないのでしょうか?
知的障害は、今ある社会に生きていく上で、知的な障害があるということなのです。
今の社会は、言語だったり数字だったりとにかく記号化して、情報処理の速さが勝負です。
それが優先される社会では、息子はかなり重度ですね。
しかし、ブッダとかの時代では、精神的な成長(悟りとか)も基準だったので、その時代だったら決して重度ではなかっただろうな。と思うのです。
障害者問題は、常に社会との均衡によって決められています。
思っているより、定規のように確定しているものではないのです。
・・・ということで毎年お正月は、息子の賢さを、親バカ丸出しに褒め称えるのでした。
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